今回は、コントラバスを使ってみたいと考えております。クラシック音楽には不思議とコンバスを使った室内楽が少ないのです。ジャズとかタンゴでは必須の楽器になっていて、リズム楽器として重要な役割を担うわけですけどね。
そこで、編成ですけど、どれがバランスが良いのかいろいろ悩んでいるわけです。
1.バイオリン、コンバス、ピアノ
2.バイオリン、クラリネット、ピアノ、コンバス
3.バイオリン2、クラリネット、ファゴット、コンバス
1はピアノ三重奏曲の変形です。普通はチェロなんですけど、バイオリンと対抗
するには、動きの配分が難しいし、また音色的に少し地味かな。
2は、メシアンの世の終わりのための四重奏曲の編成を少し変えた四重奏曲で、
音色的におもしろいかも。この場合は、クラリネットが主役になる感じですね。
3.バイオリンと木管を対抗させ、それを見守るコンバスという感じの五重奏曲
。これも今までにない形なのでおもしろそう。
で実験的にどれも試してみたのですけど、どうもうまく響かない。響きが重くなりすぎるのです。非常に困っていたのですけど、困ったときにはラヴェル先生の曲を聴けということが作曲家としての知恵のようなので、探して見たところ「序奏とアレグロ」というハープとクラリネット、フルート、弦楽四重奏という編成の曲があり、これにピンとくるものがあり、この編成だと少し演出過剰になるので、これよりも編成を減らして、
バイオリン、クラリネット、チェロ、ハープという組み合わせでやってみるかなという感じです。今回はコントラバスは見送りでもう少し研究してからということにしますかね。
弾いているとどんどんと音程が下がってくるので、20分おきくらいにチューニング。
音に関しては、どんどんと良くなってきているような感じです。D線のインフェルド赤は、深みがと響きが出てくるようになりました。A線のオブリガートは見違える程に良くなってきました。音に良い意味での雑味というか、複雑さが増し、ますますビオラぽく渋くなってきました。この弦もいい味出しているのですが、他の弦に混ぜるよりもオール張り替えにした方が良さそうです。おそらくバッハやコレルリ、テレマンといった古楽の分野で合いそうな気がします。
G線のオリーブは音の変化はあまりなく安定しているという感じです。素直に良い音という感じです。
次回、張り替えるとしたらどうしましょうかね。E線とA線はインフェルド赤にすることが決まっていますけど、G線もインフェルド赤にしたい気がするし、G線とD線をオリーブにしたい気もします。はりのある美しい輝きのインフェルドか、落ちついた豊な音のオリーブか、楽しくも悩ましいですなあ。
いずれにしても、ドミナントを張っていたころとくらべて、音の響きが、すごく良くなったように感じます。どうもドミナントの金属的な音質がどうも好きになれなかったので、これで満足です。
先生の言っていた、柔らかさという方向性というよりも輝きという音色になってしまいましたけど、まあ言葉のイメージに反して、自分が望む音というのは、実際に音にしてみると随分と違ったものになるようです。
で、話を変わって、今のところのレッスンの問題点なんですけど、私の考えている目標と先生の考えている目標にずれがあったことです。先生もそのことはわかっていたのか、今後は私の考えている方向でレッスンを進めれそうです。
先生の考え方は、なるべくたくさんの曲を弾けるようするという実践重視というものなんですが、私の考え方は、まずは、基礎作り。ファーストポジションにおける音程を正確に取れるようになることが当面の目標です。
本日のレッスンでは、私の方から「4番の指の音程が正確に取れていないので、ここを重点的にお願いします。この練習は、教本のここに載っているので、これを使います。」と言ってみたところ、「どれどれ」と言って、私の持ってきた教本「ヴァイオリン教本(イオネル・ジェアンタ著)」をしばらく、パラパラと見て、質問されました。
「二重奏とか結構あるけど、これはどういうこと?」
これは意外な質問。
「それは、先生と合わせることによって、音程とリズムをつけるということでしょう。」と回答。
そうすると、何かうれしく感じられたのか、目が一瞬光ったように感じました。この意味は後で知る事になります。
「わかりました。これをやりましょう。なかなか良い教本だと思います。」
ということで、レッスンを再開。
4指の練習のところを、一通り終わったところで、
「さあ、これをやります。」といって二重奏の箇所を示しました。
「う。初見。でも何とかやってみますか。」とやってみると、先生がいきなり下のパートを弾き始めました。
うげ〜。この曲。対法的につくられているので一緒に演奏すると引きずられてしまう。途中で中断。
「先生。これは先生と一緒にやるために練習してきますから次回まで待ってください。」と言うと、いかにも残念そうに。「わかりました。」とご返事されました。
さっきの質問の意図はこれだったのか。ご自分も弾きたいということですか。申し訳ないことをしました。次回はしっかり練習しておきますよ。
で、レッスンの最後に、この本の内容は、よいものがあるので、他の生徒さんにも使ってみますということで、早速、お店の老主人に本の注文についてお願いしておりました。それにしても行動がいつもながら早い先生です。
※帰り際にカイザー教本のアーティキュレーションをどうするのかという質問すると、すぐに5つのパターンで楽しそうに弾き出されて、回答していただきました。
本当に音楽が好きなんでよね。
弦の種類は以下の通りです。
E線 インフェルド赤
A線 オブリガート
D線 インフェルド赤
G線 オリーブ
まだ安定していなくて、これから音が変わっていく可能性はありますけど、
インフェルドのE線は、見た目もゴールドと派手ということもあるんですが音も明るく
輝きがありゴージャスといった感じで、結構気に入りました。D線も音の起伏
が大きくなって深い音になりました。予想外に良い。
G線は、ガット弦ならではの落ち着きのある音で、この弦が他の弦にも音質的に
影響しているので少しびっくり。
失敗したのが、A線で、音量的に弱いのと発音が少し遅めなので、インフェルド赤に押されてまくって全体のバランスがおかしい。音色もバイオリンというよりもビオラのような渋い音色になっています。
どうやらオブリガートに関しては、私のバイオリン君には合わない感じです。
ただ、おもしろいことに木の弓で演奏するとその粗をカバーできるんですけど、カーボンボーだとそのまま欠点がもろにでるんですね。
今回は実験という意味も大きかったので、こうした実験的選択をしましたが、インフェルドに関しては満足が大きかったので、当面は、この弦を中心に考えていくとしますか。
弦の選択に関しては、人それぞれ悩んでいるようです。これは弦楽器が、木でできており、その木も同じ組成のものはないわけですから、自分のもっているバイオリンは世界で一つしかないことに由来するんでしょうね。だから、人の言っていることは、参考程度にして、いろいろと試してみることが必要なんですよね。
まあ、ここも先生に相談して変更してみることにしました。
私 「先生、そろそろ弦を変更したいのですけど、ガット弦とか、エヴァ・ピラッツィ(高級ナイロン弦)とかはどうでしょうか?」
師 「え、替えるのですか」
このとき先生の目がきらりと光ったことを覚えています。
師 「そうね。私もいろいろ試していて4つとも種類が違います。まずは、〜〜」
(略 高度なうんちくに知識不足でついてこれなかった。)」
私 「エヴァ・ピラッツィとかはどうですか」
師 「これは、華やかな音になるし、全部替えてもいい。私も好きな弦です。でもあなたのバイオリンの特徴である柔らかさをのばしてあげる方向がいいですね。」
私 「とういうことはガット弦ですか?」
師 「ガット弦。いいですね。まずは、どの線からいきましょうか。」
私 「全部でいいですよ」
師 「ガット弦は、安定するのに時間がかかり、一気に変えると楽器を痛めるので良くない。それにオリーブ(ガット弦)を4本の弦にするのは音色的にあまり好ましくはないです。A線は今のドミナント(バイオリンの標準弦ナイロン製)がいいと思うし、E線は××(略 ここもついていけなかったです。とほほ)」
私 「ではG線で。鳴りがどうも好きでないんで。」
師 「ではオリーブにしましょう。」
と行ってすぐに弦の張り替え作業に、それにしても速い。
取り付け方法を伝授してもらい。ループエンドとかの説明もうける。
おもしろいのは、レッスンの最中にも音程が徐々に変化。本当に安定するのに時間がかかるのですね。ガット弦の場合は、張ってから2〜3日かかるらしい。安定した後の音が聴いてみたいですなあ。
それにしても、先生が弦マニア?だったとは、期待していた以上の詳細な回答が返ってきたので少々驚きです。
今回も先生にご相談。先生も非常にほしい弓だそうで、早速のりのりでCodaBowと同じ価格帯のアルシェの弓、そして現在持っている5万円程度の弓の3つで試奏してもらいました。先生に弾いてもらうと私のバイオリンが3倍くらい高級な音になったような気がするので不思議です。
音色で比べると、アルシェの弓が断然いい。音が輝いていました。CodaBowは現在の弓よりも劣る。倍音が出ない。でも運動性能と持った感じのフィット感は、CodaBowの方が断然いい。先生も弓の飛ばしは非常に楽だといいます。そこで結構、迷いが生じたのですけど、先生は以下のようにアドバイスしてくれました。
「カーボンボーというのは新しい素材で、木の弓とはまったく別ジャンルな弓として開発されターゲットがクラシック音楽の生の演奏ではなく、レコーディング用なのかも。レコーディングのときはピックマイクを付けて楽器を演奏するので、そのときに弓をこする音が邪魔になります。カーボンの場合は、それが極力ないので有利です。
選ぶ場合に考えるポイントは、2つあって、一つは、今の弓をバージョンアップするという考え方、もうひとつは、もう一つの道具のバリエーションとして購入するという考え方です。
最近、プロの間でもカーボン弓は流行していますが、バリエーションを広げるという意味が強いと思います。実際、プロの場合は、弓を何本も持っていて曲によって変更してます。」
「他に確かに音そのものを追求するというクラシック音楽の方向性という考え方もあるので、自分がどういうことをしたいのかまず考えてみてください。」
ということで、店の老主人のご好意もあって1時間くらい弾かしてもらって決断することにしました。確かに弾いていて気持ちがいいのはCodaBow。プロもご推薦ということで、まずこれで練習し、音色の追求は後日うまくなってからでもよいと最終決断し、購入しました。まあ木の方がよければ今のボーを使えばいいことだし。
※老主人いわく、木の弓はずっと使うと痛むので、練習はカーボンボーで演奏しているプロは多い。故に持っていて損はないでしょうとのこと。
それにしても、何で弓がここまで音色に影響するんだろう。かなり不思議ですね。
曲目は以下の通り。
ソナタ1番 ト短調
ソナタ2番 イ短調
ソナタ3番 ニ短調 バラード
ソナタ4番 ホ短調
ソナタ5番 ト長調
ソナタ6番 ホ長調
バイオリン:イリヤ・カーラー
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交響曲第一番
交響曲第二番
湯浅卓雄指揮、アイルランド国立交響楽団
新作の交響曲を聴くというのは、この作曲家はどこまでやれる人なんだろうと、すごい期待と不安をもって挑むわけですが、作曲家にとってもプレッシャーの大きなジャンルなんですよね。少なくともショスタコービッチ以上の交響曲、更にはベートーヴェンやマーラー以上のレベルを期待して聴かれるわけですから、余程の自信家でないとかけないですね。ということで「交響曲はマーラーで死んだ」とかいってこのジャンルから逃避行動を取る作曲家も多いし、シベリウスのように期待されまくったおかげで作品を書けなくなった人もいます。
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肝心な品揃えは、売れ筋を中心にそろっていますけど、聖地特有のマニアックでコアな製品はあまり置いてないので、その手のお店が潰れることはないと思いますね。
で、視察はそこそこ飽きてきたので、楽器店めぐりに切り替えて、お茶の水へウオーキング。そこでひやかしにクロサワ楽器店にいって、バイオリンの弓を見ていると、店員がやってきて、
「弓をお探しですか?」
「そうね、カーボン弓に興味があるんだけど」
「弾いてみませんか」
ということになり、まあ少しは弾けるようになってきたので試しに弾いてみることにしました。で、出てきたのが、すごく古そうな黄色ぽいニスのバイオリン。あちこち傷だらけだしでこぼこに凹んだ箇所もあって年期を感じます。で、そのバイオリンを弾かせてもらったら。「これはすごい。先生のオールドバイオリンと同じ柔らかい音がする。こんな音を私でも出せるのか!」とびっくり。
「このバイオリン。すごくいい音しますね。お値段は?」たずねてみたところ
「え。そうですか。これこのあいだ入ったばかりの中古なんですけど、80万円です」
これってもしかしたら掘り出しものなのかも。ちなみにヤマハでおなじ価格帯の新作楽器を弾かせてもらったことがあるんですけど、とてもこんな音はしていなかったし、格が違い過ぎます。これがオールド楽器の力なのかなあ。
そういえば、先生のバイオリンも歴戦の勇士という感じなんですけど、少々の傷なんか楽器には関係ないのか。バイオリンは、弾く人によっても大変音が変化していくと聞いていたのですけど、このバイオリンは相当弾き込まれたもんなんでしょね。なんか、貫禄みたいなもんを感じます。あまり弾いていると楽器に吸い込まれそうな感じがして、怖いくらいの感じでした。
で弓の方なんですけど、やっぱり値段の差くらいは十分あるんですね。試したのが、CodaのClassicとConservatory。どちらもすごく反応がいいし、持っていてバランスが良いように感じました。Classicで10万円ということで、買ってもいいかなという感じです。
別の店で、ヤマハのCBB105とCBB103を試させてもらったんですけど、こちらは値段の差がよくわからない。まあこれは違いがわかるレベルに私がなっていないということなんでしょうけど。デザインはヤマハはなかなか凝ってますね。スティックの色が写真では良くわからないようですけどいろいろな模様が入っていて高級そうです。でも好みは、Codaですかね。持った感じと発音の速さが気に入りました。
とりあえず、どうしようか先生に相談してみますかね。
でもいきなりハ長調でB5→C6の小指移動はキツんじゃないかな。わたしゃここまで指広がりません。ハ長調ってバイオリンでは意外に運指が難しい調性なんでよね。とりあえず、バイオリンで一番楽な調、ニ長調から練習するとしますか。
それと私のバイオリン君の名前の由来になっているカイザーという教本も一緒に購入しました。カイザーはピアノでいうチェルニー30番クラスの練習曲ということになるんでしょうか。最初に原典をみたところびっくり。ぎっしり音符がと詰まっているし、曲がとてもとても長い。初心者だと退いてしまいそうな楽譜の作り方をしてますなあ。ということでカイザーのダイジェスト版の教本もあって、こちらを購入して楽しようかなあと思ったんですけど、なんかとても卑怯な気もするので、どうしようか。こんなんかやれるんかいなあという感じで30分程、楽器店のなかをぐるぐる。戻って来たときにふと目にしたのが、山岡耕筰著の「最新カイザーヴァイオリン教本」というのがあって、中を見てみるとカイザー原典で1ページのところを2ページにして編集してくれているので、大変楽譜が見やすくなっており、これならなんとかやってみる気が湧いてきたので購入。
後、ヤマハから「ヴァイオリンを読む本」というのがあったので購入。結構、おもしろいことが書いてあって、紹介すると、
「コンサートマスターは、いつでも自分の弓を指揮棒にできるように準備しておかなくてはなりません。指揮者に万一のことがあった場合、楽団員はコンサートマスターを見ることになっています。」
え、本当!?知らんかった(アマオケにいたこともあるんですけどね。)プロはそうしているのか。今度、私の先生に聞いてみますかね。先生は某楽団のコンミスですからね。