第91回 一音
2008年 10月 19日
「バイオリンの一音は、ピアノの一音ではない。」
当たり前の事過ぎるのですけど、当たり前のことを当たり前として認識しているだけの段階から、認識の扉を開けようとする段階に進めることがおそらく芸事においては、重要なことなんでしょうね。
バイオリンの場合、1音を出す場合、左手で押さえた瞬間に右手でボーイング。このときどういうアタックや強弱を付けるか、ビブラートをかけるのかかけないのか、クレッシェンドやデクレッシェンドはどうするか、1音を出し終ったら、弓を上へ持ち上げるのか、そのままか。次の音がスラーなのか、スタカートなのか。次のボーイングがダウンなのか、アップなのか。簡単に書き出してもたくさん出てくる。1音出すには、丁寧にやるしかない。でもこれがわかっていそうで、実はわかっていない練習をしている。
こういうことがふと頭をよぎったレッスンでした。
本日のレッスンのメニューです。
- 運弓の基礎
これはいつもの通り。
- セブシック Opus1 No.1
3ページ目の5-7段目終了。次はまた1ページに戻る。次は2段を止まらずに弾けるようにすることが課題。簡単そうでいて難しい筋肉トレーニングです。
- 音階練習(小野アンナ)
F-mollの音階はOK。次はDes Dur。
- カイザー25番
しっかりと弓を止めるようにとの指示。
- ビバルディ:RV317 第1楽章
今回は2ページの終りまで弾く。移弦のありのレガートが課題。途中で止まらず滑らかに。