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クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

移動ドのまじめな研究(その9)

では短調の実践編ということで説明していきます。

短調には3種類あると前回、説明しておきましたが、ほとんどの短調の曲は、この3種類が混在して書かれている場合が多いため、移動ドの読みでは相当苦労すると思います。特に五線紙では、BとC、EとFの間が半音であるという暗黙の了解事項がわかっていないと面倒です。このところの説明を嫌がって解説しない音楽書が多いのですけど、これでは移動ド自体の読み方が役に立たないということになってしまいます。さらに言うと、長調においても短調の部分が出てくる場合も非常に多いので、しっかりと短調を読むことは重要です。




短調の曲でまず候補にしたのは、鈴木教本にあるバッハのガヴォットのト短調です。
この曲は、ト短調ということですが、主音をドとするか、ラとするかどちらが良いのかを知る意味でも両方で読んでみますね。

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上の歌詞にあたるのが、主音をドとした場合で、下がラとした場合です。階名はららトーク式で読んでいるので、ミ♭はメ、ラ♭はル、ソ#はギ、ファ#はフィとしています。
この場合、どちらが読み易いかというと、主音ラの方だと思いますけど、最後の小節がいやらしいですね。ラギフィミです。これは旋律的短音階ですね。ラギフィミの部分をト長調と考えて、ドシラソと読替えすることも可能です。
バイオリンの場合は、ラギフィミと読んでおくと、ギ→F#とフィ→Eという階名/音名変換が意識できるので、運指を考える上では便利です。

次の例は、この曲の途中でニ短調に転調している部分です。

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こちらは、主音をドでもラでもどちらも難しくなりますね。多分、東川先生の読み方なら、ドドシドと読んでおいて次に読替えてラシシドとなると思います。でもそんなに頻繁に読替えると、階名/音名変換をする必要がある器楽演奏では難しくなるので、ここは覚悟を決めて、主音をどちらかに統一していた方がよさそうです。
バイオリンの場合、開放弦が使えるのでE線を基準に音を取ると良いと思います。

次にこれは特別な例ですけど、カイザーの12番で出てくるいきなりのすごい転調部分です。まあ楽譜をみるといきなり#だらけになっていますが、移動ドで読むと大したことがないのですね。2小節目をロ長調、3〜4小節目をホ短調であるとして読みます。
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バイオリンの場合、単にH→Dis→Fis→Aisと単純に音を押さえるというよりも和音を感じて音程をとるのは大事なことですので、こうした場合の移動ド読みは非常に有効に作用します。
by ralatalk | 2007-05-01 02:53 | 移動ド