第10回 8分音符では弓は少なめに
2006年 11月 11日
美探先生は、
「だいぶん良くなってきたぞ。これからもっとすごい音になってくるので、あなた自身も驚くことだろう。大体、人は急にすごく上達し、また少し落ちてきて、またさらに上がっていくもの。私はそういうのを見ているのが楽しいのだ。」
とおっしゃっておられました。
そう言えば、弦楽器フェアでも、去年は、自分はまだまだ駄目な音だなあと思っていたのですけど、今年は、ひょっとして私の方が美しい音で弾いているのでは? とバリバリと弾いている人の横で思ったりもしたものです。美探先生もおっしゃっていらっしゃったのですけど、美しい音で弾いてやろうと思って弾いている人は、かなり少ないようなのです。
バイオリンというのは不思議なもので、弓の先から元のところのすみずみまで美しく弾くという強い意思がなければ、絶対に美しい音にならないのですね。
これを毎回のレッスンで耳にタコができるくらい聴かされていています。
「元では力を抜いて、肩を使って。」
「右手の指が動いていないよ。どんどん使って。」
「はい。そうだ。いいよ。」
という指導の言葉は、先生がいなくても自然に聴こえてくるから不思議です。
本当に良い先生についたものです。
さて、今回のレッスンの内容は以下の通り。
1.ボーイング基礎練習
今回は姿勢についてアドバイス受けました。
・左足を前に少し出して、そこに重心を少しかける。マルテレの場合、弓が弦に触れる瞬間に左膝を少し屈伸させる。これが柔らかい音を出す秘訣とのこと。
・バイオリンを弾くときには呼吸せよ。息を吐く吸うのタイミングを運弓をあわせること。
2.重音奏法(3度とオクターブ)
三度は難しくてまだまだ弾けていないので、徐々に練習しておくこと。無理すると手を痛めるので練習し過ぎは禁止。
オクターブは、手をスライドしながら音階で弾く方法を教えて頂いた。
3.カイザー5番
以下のスラーの奏法が間違って演奏しているので修正要とのこと。
※弦楽器の場合は上のスラーは運弓の区間を示し、下のスラーがアーティキュレーション。この場合は、2番目と5番目の音符の長さは少し短くしておき、3番目と6番目の音符はスタッカートでしっかりと止める。
4.カイザー6番の予告編
B-Durの音階はしっかりやっておくこと。音程を半音ずれて演奏する人が多いので、そのようなことが無いように注意を受ける。
5.鈴木教本 第2巻 第2曲〜第4曲
第2曲目のバッハはOK。
第3曲目の「狩人の合唱」は一旦、OKをもらうものの、運弓が違う箇所を指摘されやり直し。とにかく楽譜の指示通りでないと変な癖がつくので駄目と注意される。先生も結構、「このボーイングはおかしい。」とか言って、自由に運弓を変更されるので、それを真似て変更してみたのですが、そこが駄目だったみたいです。
第4曲目は、ボーイングで注意される。
4分音符は全弓で8分音符は、1/4弓よりも短くとのこと。このところは前の先生と指導が違うので少し戸惑う。とは言え、美探先生はレオポルト・アウアーのロシア式運弓方法を継承されておられるので、ハイフェッツの運弓をビデオでみて、なる程と納得しました。
6.鈴木教本 第2巻 第5曲
ブラームスの曲なんですけど、下の赤字の所の運弓方法を先生に尋ねる。先生はご熱心にも全曲を弾いた後、運弓方法を指示。ここは全弓で返すが、音がでかくならないように注意してとのこと。
それにしても、一見すると6/8拍子のようでいて3/4拍子。ブラームスぽい楽譜ですね。