バイオリンは絶対音感が有利?
2006年 09月 04日
まあ楽器によって絶対音感を持っている方が有利な場合と不利な場合があるようで、ピアノなどの鍵盤楽器は絶対音感有利、移調楽器系の木管楽器、金管楽器は、相対音感の方が有利、ハープ、ギターなどはわからないですけど、絶対音感が有利ですかね。
楽器系以外では、作曲家は絶対音感があった方がかなり有利ですね。逆に声楽系は、絶対音感を持っていて悩んでいる人も多いので相対音感の方がやや有利ですかね。
さて、よくわからないのが、弦楽器系です。ポジションをきっちりと押さえるには、音を覚える必要があるので絶対音感が有利なんですけど、弦楽器の場合は、和声や旋律進行によって音程を変更する必要があるので、ガチガチの絶対音感では駄目で、融通性のある絶対音感、あるいは相対音感の方が必要となるのですね。
音程を変える必要性が出てくる場面とは、
1.メロディを演奏する場合(ピュタゴラス音律基準)
導音は高めに、ミ、ラも少し高めに。
シャープのついた音はフラットよりも高めに弾く。
弦楽器の場合、ピアノのように異名同音にはならず、異名異音の関係になる。
2.和声パートを演奏する場合(純正律基準)
ミ、ラをかなり低くとる。
シャープのついた音はフラットよりも低めに弾く。
3.音に色を付ける場合
旋律線の音程をやや高め、あるいは低めに取り表情を付ける。
4.トリル、ビブラートを付ける場合
トリルの場合、高い方の音を少し低めに取る。ビブラートをかける音は、少し低めに取る。
一方、絶対音感を持っている人のサイト検索をして調べて見ると興味深い事を知る事ができました。まあ絶対音感といっても人によって感覚が随分違うので一般論として述べるのも難しいところですが、以下おもしろい事例です。
1.音程がデジタル
微妙な音程差が区別できない。例えば、CとC#の間の音程は、どちらかに偏って聴こえる。このため弦楽器の微妙な調弦がわからない。この例はピアノで絶対音感を付けた人の場合に多いみたいです。
2.異名同音関係の調はどのように聴こえる
例えば、変二調(フラット5個)と嬰ハ調(シャープが7個)は異名同音関係にある。簡単に説明するとピアノで演奏すれば同じスケールなのですが、シャープ系が優勢に聴こえるので嬰ハ調として認識してしまう人。逆の人もいるのかもしれませんが未確認です。
3.移調されたメロデイはまったく別物として認識
移調楽器、声楽系の人で絶対音感を持っていると、音楽的に最も困っているのがこのことみたいで相当悩むみたいです。
4.ハーモニー感覚
例えば、ドミソ和音の場合、ミをやや低く演奏すると和声が奇麗に響きのですが、絶対音感のある人の中には、この微妙な音程差を付けることが難しいと感じる人もいるようです。
弦楽器にとっては1、4が一番困りますかね。2に関しても、フラット系の曲を演奏する場合、違和感が出てくるのでしょうね。
結局、弦楽器の場合、絶対音感有利とはかならずしも言えないような感じです。弦楽器の場合は、絶対音としての開放弦の各音と、開放弦以外の音でもこれを奇麗に響かせるポイントがあるのでこれを道しるべにして音程を取ることの方が重要になりますから、ある意味、変な絶対音感なら無い方が良いくらいかもしれません。ただポジション移動が激しく発生する曲を演奏する場合は、絶対音感が有利とは感じますね。
どちらにしても、絶対音感は私にはないので、ポジション移動に関しての必要技術として少し研究してみますかね。
追記:
絶対音感を実験する爆笑サイトを見つけました。まじめな楽譜付きのところが笑わせてくれます。一見の価値ありです。@ニフティのDaily Portalの特集記事からまちの音階を調べるです。