リムスキー=コルサコフの管弦楽法
2006年 07月 31日
「願いをかなえるには、それに見合った対価が必要よ。それは多すぎてもいけないし、少なすぎていけないものよ。」ということで、
3週間もバイオリンを貸してもらった外人さんには、どういう対価がふさわしいのか、色々考えてみていろいろ提案してみました。「バイオリン弦セット」「商品券」など。でも外人さんは、何も必要はないということだったので、上記の侑子さんネタからアレンジして、
「日本では、誰かに何かをしてもらったときに、かならずお返しをしなければ、不幸になってしまうという言い伝えがあります。」と言うと、やけにその言葉が気に入ったみたいで、しばらく「う〜ん」と考えて、
「リムスキー=コルサコフの管弦楽法の英語版」というご回答でした。いろいろ話を聞いてみると、この人は、カバレフスキーに音楽を教えてもらったことがあり、そのなかで興味があった題材が、この管弦楽法ということです。
それじゃということで、都内の有名楽譜店を探しまわったのですが、置いてある店がなくて困っていたところ、インターネットのアマゾンで販売されているじゃありませんか。それで注文すると2日で届きました。価格も都内のどの店よりも安いし、早いし、これからは、外国書籍はすべてアマゾンで注文することにします。
さて、届いたのが、この本ですけど。
少し中身を見てみました。
管弦楽法といえば、ピストンとか伊福部先生のものが有名ですが、これはそれより前の時代に書かれた古い本なんですが、「プロ作曲家を目指す人なら読んでいない人はいない。」と言われているくらいすごい古典的名著なんですよね。
なんせ、あのストラヴィンスキーの先生が、リムスキー=コルサコフですからね。もしかしたらストラヴィンスキーは、リムスキー=コルサコフ先生に作曲と管弦楽法を習っていなかったら、火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典を書けなかったかもしれません。
それくらい重要な書なんですが、何故か翻訳されていないですね。不思議です。
ちょっと、ぱらぱらと読んでみたのですけど、楽器そのものの説明より、各和音における、木管楽器や金管楽器の重ね方が、かなり詳細に解説されています。悪い例も掲載されているのが、特に良いですね。譜面も豊富です。まあ本当の意味でのオーケストレーションの本です。
問題があるとすれば、やはり古い本なので記述的に古いところもあり、マーラー、シュトラウス、ストラヴィンスキー、ラヴェル先生、バルトーク、シェーンベルク、メシアンといったオーケトレーションの改革者がやったような技法については、掲載されていないことです。これはナイモノネダリというものですけどね。
この本の内容と同等レヴェルで、現代の作曲家が補完してくれれば、相当良い本になりますね。管弦楽法というのは、ほとんど完成された技術なので、誰か偉い先生が書いてくれれば助かるんですけどね。