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クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

日本のバイオリニストはヘボ?

あるテレビ番組で、ある若い日本のバイオリニストのインタビューとイザイの無伴奏バイオリンソナタの三番の演奏がありました。

で、聴いてみた感想は、??でした。

確かに技術的な面は良しとして、音楽の中身が「空ぽ」ではないかという疑問。

なんかお稽古で先生に見てもらうという演奏で、観衆をまったく意識していない演奏。びくびくしていて音楽に訴える力というものがありません。




日頃からミルシティンやハイフェッツの演奏を聴いているので特にそう思ってしまったのですが、これが若き天才と言われている人の演奏なのかと非常にがっかりしてしまいました。マスコミが騒いでいる人の演奏というのは、「?」マークがつく人が多いのですが、どうなんでしょうかね。作曲家イザイの持つ憂鬱感とか、人間らしい悩みの部分とかなしに、楽譜に書いてある技術的な部分のみを高い純度で抽出して演奏されていることにすごい違和感を覚えました。まあ、イザイを単なる超絶技法を習得する上での練習目標だと思って弾いているとこういう演奏になるというのはわかります。

 同じ演奏家でもミルシティンくらいのカリスマになると、同じフレーズであっても安易に同じように演奏するようなことはせず、曲の進行に従って音色や奏法、微妙なテンポの揺らぎ感も工夫しつつ演奏しているので、聴くたびごとに新しい発見があるのですけど、この人の演奏は、まったく同じに演奏してしまっているので次にくるフレーズが予測可能でおもしろくないし、リズムもまるでメトロノームを16分音符きざみにして無理やり合わせているような感じなのですごく息苦しい。
 例えるなら、外人が、日本の民謡を歌うときのような違和感のある演奏、あるいは官僚のつくった文章を大臣が棒読み記者会見しているような演奏だと感じてしまいました。日本人演奏家が、すべてこうした演奏をするのであれば、教え方に問題があると思います。(なんちゃって)

↑とここまで書いてみましたけど、若者つぶしを得意とする超極悪な音楽評論家が書くようなムカツク文章ですよね。これは...。

若いこれからの演奏家に対して、ここまで語るのはカワイそうではあります。インタビューの中身は、天才といわれている人にある特有の精神的もろさがあるとは言え、なかなか良いことをおっしゃっていたとフォローしつつ、若い演奏家では、イザイの複雑な内面表現をするにはかなり難しい部分があるのでよくやった。今後に期待します。と弁護しておきますかね。

 でも、外人さんのいう「エチュードを演奏しているような演奏で中身が空っぽ。」と揶揄されている日本人演奏家ばかりでもないことも確かです。

最近では、古澤さんのバルトーク「ルーマニア民族舞曲」の演奏をCDにて聴いたのですけど、これは、生き生きとしたリズム感と活発で自発性のある演奏で楽しめました。特に演奏に一筆書きのような勢いがあるのが良いです。この差は、音楽をエリート教育の一環として単なる苦行としてやっている人と、本当に好きでやっている人との差であると思いますけど、この部分は、プロともなり期待されるところが大きくなってくると、維持するのが非常に難しくなってくるのでしょうね。

 音楽が嫌いで演奏しているプロの方は、この日本ではなぜか多いですけど、音楽好きな一流の演奏家と競演する機会を増やせば、かなりの大物になりそうな演奏家が多いだけに、もったいないですね。『ソリストが一流で、室内楽とか、オーケストラをやる演奏家はソリストになれなかった二流の演奏家だ!』といったような江戸時代のような考え方が本当にあるんでしょうかね。音楽後進国なのかなあ日本って。

↑日本の音楽ドラマ「カルテット」(久石譲 監督)で主人公の語った言葉ですけど、ドキッとしました。
by ralatalk | 2006-04-10 18:08 | 音楽エッセイ