イエレ弓購入
2006年 03月 17日
今までは、カーボン弓であるコーダークラシックを使っていたのですが、音色が平坦、音量の変化が付けにくい、音の立ち上がり遅い(音の鳴り方が平均しているためアタックが付きにくい)ということで、フェルナンブコ弓を購入しました。
※普通の人なら問題がないと思うレベルなんですけど、ミルシティンの演奏を聴いていて耳が肥えてきたのか、バイオリンの音の違いがはっきりわかるようにななって来ました。最近では、先生が弦を替えてときとかもすぐにわかるようになり、自分でもびっくりしています(←申し訳ありません。自慢話になっていますね)。
弓に関しては、結構、お店をまわったのですが、決め手に乏しく今まで保留にしていたのですが、さすがにイエレさんです。良質の弓を選ぶ眼力には敬服いたしました。おかげで目標金額をかなり下回る金額で良い弓を手に入れることができました。ドイツ製の1960年代の角弓()で重さは、馬の毛が付いた状態で61.25gでした。イエレさんが、海外から日本に持ってきた秘蔵の弓の一つであるとのことです。
比較した弓は、10本くらいになりますかね。
選別には、かなり苦労しましたが、決め手は、やはり音色でした。
店員のイルマスさんに10本のなかでランダムに弾いていただいて選別。真近で弾いた場合と5mほど離れたところから試聴して、私が音色的にすばらしいと感じたのが、すべてこのイエレ弓だったのです。我ながら、一度も外すことなくこの弓でということで選別できたので、良い弓なのだなあと思いました。
他の弓との違いは、輝かしさがあり、遠くまで音が減衰しないということにおいてかなり特徴的だったのです。以前、他のお店で弾かせていただいた、アルシェのトルテコピー弓と同じ傾向の音色でした。そういえば、角弓ということで、トルテ型ぽい形をしています。
運動性能においては、私の腕がヘボなので正確なところ良くわからないところですが、今のコーダー弓と同等という感じです。イルマスさんには、スピッカートとか重音とか、ハイポジションとかいろいろ要望を出して弾いてもらって確認してもらったところ問題なしとのこと。
※イルマスさんは、バイオリン演奏がうまいですね。特に人の好みに合わせて楽しく弾ける技術、コミュニケーションスキルのある演奏といった言い方が良いのかなあ、日本人の演奏者が一番持っていないところですね。
イエレさんに弓を選別する秘訣を尋ねたところ、「演奏者の望む音というのをいつも強く意識しており、その基準にそって選別している。」とのことでした。
最後に、イエレさんに、弓の健康状態を見てもらったところ、「どこも問題なし。いい保存状態です。」とのことでした。この秘蔵弓を逃すと、きっと後悔するだろうと思い
「購入します。」というと「コングラチュレーション!」と何回もお礼の言葉を頂きました。
※コングラチュレーションという言葉は、こういう場合にも使うのねということで、妙に感心してしまいましたが。
帰りに弓の手入れの方法で、銀巻き線の汚れを落とす方法について、イルマスさんにお尋ねたところ、ピカールで磨くのですよといって磨いていただきました。ほう、このようにして磨くのかということで妙に感心してしまいました。