17世紀のボヘミヤの作曲家
2005年 11月 20日
今回は、バロック・バイオリンとバロック・チェロ、チェンバロの三重奏で、ビーバー、ポリエッティ、セルマ、シュメルツアーというちょっと馴染みが薄い作曲家の作品でしたけど、結構勉強になりました。演奏者は、赤津眞言(バイオリン)、岡田竜之介(チェンバロ)、高橋広路(チェロ)です。会場は、東十条ふれあい館。
今回の聴きどころというか、ポイントは、古楽器の音色を楽しむということでしたけれども、この点では収穫がありました。
1.バロック・バイオリン
バロックバイオリンと現在のバイオリンの違いは、指版が短いのと指板の傾斜が緩やかになっていること。顎当て、肩当て無しで演奏され、弓もバロック弓で演奏されておりました。
目の前での演奏は、今回初めてでしたが、予想通り音が小さい。よく文献で書かれているフルートのような音というイメージがよくわからなかったのですけれども、この表現を翻訳すると、モダンバイオリンのように輝かしく刺激的な音ではなく、柔らかいやさしい音。またビブラートはかけないで演奏するので、澄んだ鳥の鳴き声という感じですかね。これがフルートのような音という正体かな?
2.バロック・チェロ
このチェロは、エンドピンがないんですね。びっくりしました。始終足に楽器を挟んで楽器を浮かせて演奏されていたので、結構大変そうな気がします。こちらもバロック弓での演奏。胴が太いこともあって想像以上に大きく豊かな音。モダンチェロよりも良い音。多分これは年代物のすごい名器なんですかね。侮りがたし、バロック・チェロ。
3.チェンバロ
使っていた楽器は、イタリアンの楽器。全長が長く響きが豊かに鳴るのが特徴。チェンバロには、4種類あって、イタリアン、フレンチ、ジャーマン、フレミッシュがあるそうで、それぞれに特徴があるみたいです。演奏中にチューニングが狂ってくるらしく頻繁に調律していたのが印象的。音は意外に大きかったですね。イタリアンの特徴なのかなあ?
※ チェンバロはすごく種類があって分類するのもかなり難しいようですね。
以上、楽器を楽しむという収穫はあったのですけど、作曲家もビーバーという作曲家は非常におもしろく感じました。この時代で、グリサンドとかコルレーニョ、バルトークピチカート、スコルダトゥーラ(変則的調弦)を曲に取り入れていたというのが、すご過ぎ。バイオリンの大変な名手だったそうで、この人がいなかったらバッハの無伴奏バイオリンソナタは存在しなかったかもと言われているそうです。
この作曲家については、すこし検証の要ありですね。ロックオンしておきます。