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クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

バイオリニスト兼作曲家 その1

佐々木庸一さんと言えば、バイオリン関係の著作で結構有名ですけど、それらの一連の著作を読んでみて結構おもしろかったので、この中で印象に残った作曲家、演奏家、教師をメモしておきますかね。

1.ヴィオッティ
 モーツアルトの1年先輩にあたるフランスの作曲家兼バイオリン奏者。当時最高のバイオリニストだったのですけど、最後は音楽から足を洗ってワイン商人になった人。でも商売は失敗。150曲以上の作曲をする。そのうちバイオリン協奏曲が29曲あって、ベートーヴェンとブラームスに大きな影響を与えたらしい。確かにこの人の作品は、魅力的な旋律に絡む対旋律が美しいですね。ブラームスは22番の協奏曲をかなり気に入っていたらしいです。ブラームスお得意の反則寸前の絶妙なパクリがあるか要チェックですなあ。

2.パガニーニ
 この人はバイオリン界の最大のカリスマ。そしてかなりケチな人でも有名。その当時では考えられなかった超絶技巧演奏で失神者続出の伝説的演奏会を行う。その当時の絵画にもパガニーニを題材にしたものが多いからかなりのものだったようですね。バイオリンは独学。父はこの人の才能に気づき、鬼マネージャとなって、幼いパガニーニを稼ぐためにこき使ったらしく、パガニーニは父親から早く独立したかったらしい。でも独立して恋と賭場にのめりこむ。賭博で自分のバイオリンをとられてしまって、困っていたときにファーンからガルネリ・デル・ジェスの名器「カノン」を提供してもらった話は有名。これ以降、賭博はやらなくなったらしい。とにかくここでは、書ききれない波乱万丈のエピソードが満載なので、興味のある人は伝記を読んでみることをお薦めします。

3.クロイツェル
 バイオリン教則本の42の練習曲でかなり有名。プロになる演奏家はかならずやるらしい。ベートーヴェンにかなり感激されてバイオリンソナタを献呈されるも、「この老人は気違いだ!」と言って1回も演奏しなかったのに「クロイツェル・ソナタ」とはこれ如何に?。その天罰か、左腕を骨折して演奏家を断念、晩年は脳卒中で倒れ半身不随になる不幸な人生を送ってしまう。

4.ピエール・ロード
 この人はプロ御用達のバイオリン練習曲「24のカプリース」で有名。若いときは相当な凄腕であったのに、ロシアで宮廷楽団の独奏者となり5年間留まって楽をしていたのがたたり、フランスに帰国後は過去の人に。でもこのとき30歳半ばであったらしい。それに反省して猛練習するも、ベートーヴェンから「難しい箇所を簡単にして弾いていたが、それでもなお、ためらうように不安定に弾いていた。」とか音楽評論家が喜んで語るようなことを言われる始末。でもベートーヴェンって難聴だったのでは??
 何れにしても少し信じられないようなお話しなので、こちらでも調べてみますかね。病気だったのではと予想してますけどね。

本日はこれまで。
by ralatalk | 2005-11-20 00:36 | 音楽エッセイ