バイオリン購入物語 その2
2005年 07月 10日
まず、音で判別しようと思っていたのですけど、これは好みレベルの大雑把な判断しかできないですね。大事なところというのは、E線とG線が鳴りで余分な音、例えば金属的な音とか鳴らず、発音がはっきりとした楽器を選ぶことが重要なようです。ここで先生の方にいろいろ質問してみたのですけど以下の回答でした。
1.E線とG線の鳴りが重要とのことですが、D線とA線はどうなんでしょう?
基本的に良い楽器というかバイオリンの鳴りは、E線とG線の鳴りで決まってしまうもので、これが良ければD線とA線の響きも良いと考えてよいです。
2.しかしながらこの楽器に関しては、中音域が良くなっていると思いますけど?
確かにこれは、不思議なことにD線が良くなってますね。でもこの楽器は発音に癖がある。このA線の音を聴いてみて。少しなまりがあるのがわかりますか?Aという発音が少し下品ですね。
3.弦楽器というのは弦の種類によっても音を調整できると聴いていますけど、それによってもこれは補正できない種類のものですか。
この弦は一般的なドミナントという製品を使っていてこういう音ですから、これは残念ながら、楽器の生まれに起因するものでしょうね。
4.先生の推薦する楽器に決めたいとは思いますが、ひとつに気になる事は、音的にはこの楽器が一番やわらかくきれいな感じがしますが、各弦のバランスが少し悪いように感じるのですけど。
「う〜ん、そうね。確かに。でもこれは調整すれば直りますよ。お店においてあるものが常にベストな状態ではないですからね。」と言ってから、すぐさま店員に調整するようにお願いしてくれて再度、弾き直してもらったら、不思議なことにバランスの問題は完全に解決。
「不思議でしょう。弦楽器というものはこういうものなのよ。だからベスト状態になるように調整してあげる必要があるわけ。」
ははあ、恐れ入りました。
ということで、ドイツ製のバイオリンを購入することに。
でもこの先生は、はっきりしていてわかりやすいですね。ラヴェル先生の弦楽四重奏曲は弾いた事がことがなかったらしいんですけど、良い曲ねという感じでどんどんと弾いていって、次はどこ弾けばいいのという感じでした。でもこの初見は、音程をとるのが難しいらしくて1回目は大丈夫かという状態なんですけど、指を探り当てる感じでぱらぱら弾き直して、2回目には音程は取れて、3回目には表情を付けてという感じで演奏されたので、楽器の善し悪し判定するよりもそっちに気が向いてしまいました。
「しまった楽器の選定をするのをつい忘れてました」というと、にっこりして、「駄目ですよ、ちゃんと聴いてないと」と言われる始末。
※実はこの先生、ドビュッシーの弦楽四重奏曲はやったことがあるらしかったので、こちらを持ってきてあげればよかったですなあ。少し失敗。
最後は、「次はレッスンですからね」と言って次の人のレッスンをするためにレッスン室へ。うむ。私は独学しようと思っていたのですが、いつの間にか生徒さんになってしまいました。まあ、これも何かの導きなんでしょうね。