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クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

音楽理論の勉強

前回は少し音楽理論のことに触れましたが、今回はその続きです。
西洋音楽の作曲理論はおおざっぱに言って、和声法、対位法、楽式に分かれます。クラシックの作曲を目指す人は、これを勉強するわけですが、まずは和声法からやって、対位法、楽式に進むといいのかもしれません。でも私が思うに、和声法を2年、対位法を1年、楽式1年を順番にやるよりも、まずはさらっと読めるくらいのテキストを一通り読んでみて、それから深く勉強する方が、音楽を総合的に学び作曲するという点ではよいのかもしれません。
では、最初のテキストとすればどれが良いのかというとこれもまた難しい。最低限の楽譜のルールをまずは覚える必要があって、これには楽典を読むことからはじめないといけません。でもこれを全部やるとかったるいですね。大事な部分は、長三度とか完全5度とか増4度とかいった音程の読み方と、エンハーモニックチェンジとかいった少しテクニカルな部分ですかね。
それと短調のスケールの読み方ですかね。短調には3種類もあってめんどくさいのですけどね。後はお好みで旋法の名称。ドリアンとかフリジア、リディアとかいうやつですね。

でここまで最低限度の知識を頭に入れて次に進むべきは.......。

(1)和声法

これは和音の連結のお勉強ですね。音楽の勉強で一番苦痛なのがこれかもしれません。とにかく禁則がやたらと多いので嫌になります。その割には、古典派や前期ロマン派レベルの和声でしかないし。作曲に役に立つとはまずは考えないで、とにかく基礎として割り切って勉強するしかありません。
和声法で役に立つのは、転調の方法と借用和音、非和声音の解決方法で、これのバリエーションをいろいろ知っていると、後でいいことがあるかも。
和声法には、いろいろな流派があるのですけど、わが国では芸大和声というのが主流みたいですね。でもこれをいきなりではきついですね。気合のある人はこれからやってみるというのもいいかもしれません。

●音楽講座 和声楽 下総皖一著 音楽之友社 
 厚さも手ごろで比較的読みやすい。最初はこれで十分な内容です。でもこの本で曲を作るとなると古臭い曲しかできないかも。最近では7thや9thコードをあたり前のように使うようになっていますが、戦後の本なので仕方ないかな。

●和声 理論と学習 音楽之友社
 内容的にはわかりやすく書かれているけれどもこの分量はすごい。
 一番おいしいのはIII巻なのでこれをかじり読みしてます。

●近代和声楽 松平頼則 著 音楽之友社
 わが国を代表する作曲家である松平頼則先生の著作。まあドビュッシー以降の近現代音楽をやるにはこのレベルの知識をもっていないとね。昭和44年で改訂されているけれども、この当時から音楽はまったく進化してないですね。今もって最先端の書になっているのがすごいです。

(2)対位法

対位法はメロディとメロディを組み合わせる技です。厳格対位法と和声対位法があるんですけど、バッハ以降は和声対位法なんでこちらからやるといいですね。
最初、シェーンベルクの対位法で勉強しようとして挫折。逆にシェーンベルクの教育者としての能力の高さに脱帽。ほとんど虎の穴の修行ですなあ。

●対位法 長谷川良夫 著 音楽之友社
 対位法の本は、わかりにくいのが多いですけど、この本はわりとわかりやすかったです。前半は役にたたないので器楽的対位法から読むといいでしょう。

(3)楽式

ソナタ形式とかロンド形式とかといった西洋音楽のスタイル解説したもの。
西洋音楽の書き方のレシピみたいで、読んでいて楽しいのが楽式ですね。

●楽式論 石桁真礼生 著 音楽之友社
この本は、わかりやすくてなかなかおもしろいですね。ソナタ形式やフーガの解説に熱がこもっています。

え!これでは、大変で挫折しそう。わかりますね。その気持ち。
確かにいきなりは大変です。それならこれはどうですか。

●和声と楽式のアナリーゼ 島岡 譲著 音楽之友社
上記、和声法、楽式の2つをいっぺんで学習できる優れものの本。
結局、この本が作曲には一番役にたったかな。
by ralatalk | 2005-02-07 00:53 | 音楽エッセイ