ダブルシャープは高尚な音楽?
2009年 04月 26日
悲しいのは、未だに固定ドか移動ドがどちらが優れているのかという論争があるようなんですけど、音楽をやる上ではどちらも必要というのが結論ではないでしょうかね。特にピアノしかやっていない人は、移動ドの重要性をつかみ難いようなのですが、アンサンブルをやればその重要性に気づくはずです。ただ、移動ド読みするときに最大問題は譜面です。現在の五線システムは、圧倒的に固定ド有利で作られているので移動ド読みするのに随分と苦労させられるわけです。
特にバイオリンなどの器楽の場合は、譜面をみて固定度ドを移動ドに直す⇒頭のイメージの移動ドを運指に直すという作業を瞬時にできなけばならず、演奏上の負担が大きいため固定ドで読んだ方が効率的となります。そんなわけで長らく、固定ドも移動ドも同時に楽に読める記譜法がないかと探していたのですが、ついにそのヒントになる記譜法を見つけました。
Equiton記譜法というものです。T.Fuwaさんが日本語で解説してくれています。
この記譜法、臨時記号がたくさんあって読み難くなっている譜面を如何にして効率的に読めるようにするかというもので、なかなか面白いと思ったので、いくつかサンプルを作成して、バイオリンで演奏してみました。最初は、少しとまどうところもあるのですが、記譜ルールが簡単なためすぐに演奏できるようになりました。これはなかなかいいですね。そうこうしているうちに閃いたのですが、これって移動ド譜面としても使えるのではないかと思ったわけです。それでちょっと工夫してみたのが以下の楽譜。お絵書きソフトを使わなくてもエクセルでつくれるように改造しました。
背景灰色の部分は、階名のドです。●ならド#になります。黄色の部分は、●ならソです。○ならファ#です。
移動ド譜面にしてしまうと、どの調でもドレミファソラシが同じに形になるのでとても音楽がわかりやすくなるのです。固定度で演奏するときは、左側の音名を見て、○ならばそのまま、●ならば半音あげればよいだけです。
秀逸なのが○の後に●が同じ位置にくると半音であるとすぐにわかるので、○の音を少し高目にすべしというのが瞬時にわかります。また長三和音であるのか短三和音なのかも和音の形ですぐに判別できます。また♯、♭などが出てこないし、リズムもわかりやすい。これは結構いけますね。
ついでにまた実験。その昔、オーケストラ倶楽部にいたころに、同輩が
「チャイコフスキーはなんて偉大な作曲家なんだ!」と感嘆していたので、その理由を尋ねてみたところ、
「だって、あのカッコいいダブルシャープがたくさんついてくるんだもん。」
「ダブルシャープ!!。あのセレブな臨時記号のこと?。それはすごい。偉大な作曲家はハ長調みたいな曲は書かないでホ長調ですからね。」
と本気で思っていたことが懐かしい。
ところでチャイコフスキーと言えば、最近、チャイコフスキー症候群でロ短調という病気があるようなんですけど、鬱系の病気なんでしょうかね?。寮長先生に尋ねておく必要がありますね。 ここでは、ロ短調よりもさらにセレブな嬰ニ短調を題材としておきますか。
小野アンナの音階練習本からなんですど、これを初見でぱっと見で弾ける人はかなりの上級者のはず。
ダブルシャープもあるし、ご丁寧にもBの音にも♯が付いてきます。シフティングも複雑そう。ちなみB#というとかなりの人が戸惑う経験がお有りなのでは?
これをららトーク式の移動ド譜面にすると、
になります。かなりすっきり。音程感覚もわかりやすいのでこれがあれば初見もできるかも。