クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

三善晃のコンサート

三善晃のコンサートがあったので会社を休んで聴きにいきました。
三善晃と言えば、武満亡き後、日本でNO.1の現代音楽作曲家であることは、その作品の質と量から言って間違いのないところなんですけど、どうも馴染めないというか、その本質が分からない作曲家の一人です。

曲目は、以下のとおり。

焉歌・波摘み(1998)
ソプラノと管弦楽のための「決闘」(1964)
レクイエム(1971)

作品はどれもすさまじい音響地獄で、地面から足を掴まれそうな恐怖に満ち満ちており、たまに何を思ったのか、ごちゃごちゃの音響の中から「ねんねんころりよ~」とかの民謡が怨念のような形で出てくるという、呪術的世界になっています。

この人の作品に関しては、正直よくわからない部分が多いし、好き嫌いというレベルで話すには、あまりにも音楽からかけ離れているような気がするのですね。テーマ的には「死」というものが常に意識されているのですが、その死に対する概念はかなり特殊なような気がします。
 例えば、今回の「スマトラ地震津波」のようなすさまじいばかりの破壊的状況をそのままドキュメンタリ風に描写し、そこに作者としてのコメントや思い入れはまったくなしという冷めた作風。「その情景について各人が考えよ」という聴衆をつきはなした作品が多いような気がします。
 スコアの方は、かなり緻密に書かれているにもかかわらず、打楽器の暴力的なサウンドによってすべてがかき消されているし、すごくもったいないような気もするのですが、それがあって緻密に描写する作風が生きているのかもしれないし、良い悪いのコメントも難しい状況です。
 ただ言えるのは、こうした音楽は、ただ圧倒され「すごい」の一言しか発生を許さないある種のマインドコントロール的音楽なのだということです。

私の考える音楽とは、作品を通して人それぞれにさまざまな考えを発生させる音楽なのですがね。今のところ私の音楽観からはかなり遠いところにある音楽ですね。
[PR]
# by ralatalk | 2004-10-14 21:35 | コンサート