クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

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作曲家の池辺晋一郎さんのNHK番組は結構見ているのですが、なかなかテーマと選曲がいいですね。「音階と色彩の関係」とか「日本の伝統音楽と西洋の音楽」とかなかなか冴えているし、選曲もすごく的を得てますね。最近では、特に日本音楽というテーマは、なかなか奥深いものがありました。
「日本で生まれた以上、日本の作曲家は日本という業を背負う」というのは真実をついた名言ですね。よく現代の作曲家はなんでベートーヴェンとかモーツアルトのような作品をつくらないのかいうことが尋ねられますけど、作れないどころか、ベートーヴェンとかモーツアルトよりもベートーヴェンらしい音楽、モーツアルト音楽を作曲することは十分可能なことです。ただし、自分の曲がベートーヴェンやモーツアルトに近ければ近いほど、作曲するという営みの中で悩むことになるでしょうね。基本的に芸術家は、個性を一番大切にしている人種なので誰かの作品と似ていると言われるのが一番傷つく言葉になります。
 で、一旦は過去の大作曲家に近づくのですけど、ある程度したらすべてを捨ててオリジナルを探しにいく。そして、その先がいつも日本の伝統音楽に行き着くのですね。日本人なら。
 作曲しているといろいろと考えるんですね。私はよく音楽のイデアという言葉を使いますが、これには「理想的な」という意味よりも「考えるということ」に重要な意味があると思っています。「よりよく、より深く考える」その先にある音楽というのが、音楽のイデアと考えています。

 音楽のイデアの実例としては、たとえば武満徹の「ノーヴェンバー・ステップス」というオーケストラと尺八、琵琶という西洋楽器と和楽器を融合させた傑作があるんですけど、武満徹自身が言っていたことによると、最初、和楽器とオーケストラでどうやって鳴らすかまったくわからなかったらしくて困っていたところ、山間部の田舎村での村内放送で「○○さん、電話ですよ〜。」とかたまにかかるらしくて、山間部なんでいろいろなところにその声がこだまする。そのときにチャイコフスキーの白鳥の湖とかのオルゴール音が、音程が微妙に狂っているらしくて、それが妙におもしろい自然な効果というか気に入ったらしく、それを音楽の中に取り込んでやろうと思って作曲したというらしいんですね。まあ、冗談で言っているのか、本当にそう思って言っているのかというところなんですけど、そう言われてみて彼のスコアを見てみると、確かにこだま効果というのはいろいろなところに見ることができます。
 そういえば武満の音楽は、竹薮のなかを散歩しながら、鳥の声や木の葉をゆらす風の音、岩清水の沸き上がる音、雲が動く音などを、そのまま音楽にしているところがあって、そうしたところがほかの技術的アイデアだけでかかれた作品とは違って、何回も聴いてみたいと思わせるのでしょうかね。
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by ralatalk | 2005-06-24 01:30 | 音楽エッセイ
先程、ずっと楽しみにしていた武満徹の「マイ・ウェイ・オブ・ライフ」をNHKのテレビで観ることができました。でも何というか、これが本当の武満の世界なんですかね。武満の音楽を媒体とした日本人の生活の現状を表現した劇というか、フランス文化人好みの退屈な抽象性を取り込んだ三流映画ぽい作りにはがっかり。外人には日本人がこのような感じで捉えられているのですかね。テーマが人生というのであれば、もっともっと深堀できたような気がするし、日本の一流の映画監督とかアニメ監督かに演出してもらえば、もっとすごい世界を表現できたであろうに。演出のレベルの低さにはがっかりです。熊さんが出てくるのは、アニメのアキラの影響があるだろうし、お色気お姉さんが出てくるのは、これも庵野監督の撮ったキューティハニーとかの影響もあるんでしょうかね。ついでにトトロも出しといてくれという感じです。まあこんなところで愚痴っていても仕方ないですかね。日本人の世界は、日本人が作らないとね。
 まあ悪いところを指摘していても仕方がないとして、良い部分もあることはありました。それはファミリーツリーをフランス語で聴くことができたのと、演出もこの曲の場面だけは合っていたように感じます。
 武満が本当にオペラを作ることができたかどうか?作曲技法のバリエーションがかなり少ない人なので困難な作業になったであろうと思いますが、ファミリーツリーの延長線にある作品だとは予想できますね。
 このオペラを観ていてふと思ったんですけど、もしかしたら諸井三郎の交響曲第三番をオペラ仕立てに演出を加えてもおもしろいかなあ。戦争末期にほとんど死を覚悟した日本人作曲家の壮絶な苦悩というのがテーマとしてそそられますなあ。この時代、時局音楽を書かなくては殺されるかもしれないという極限の状態でしたからね。そこに橋本国彦や伊福部昭も加えてということになるとなお興味がそそられます。
 こういうオペラなら是非観てみたいものです。
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by ralatalk | 2005-06-20 00:50 | コンサート
ぴっころさんのフルートとハープのコンサートがあるということで行って来ました。
曲目は以下の通り。

1.ドビュッシー:小船にて
2.イベール:間奏曲
3.バッハ:シチリアーノ
4.ヘンデル:オンブラマイフ
5.モンティ:チャルダッシュ
6.フォーレ:即興曲Op.86(ハープ独奏)
7.マスネ:タイスの瞑想曲
8.ビゼー:アルルの女よりメヌエット
9.ボルン編曲ビゼー:カルメン幻想曲
アンコール:浜辺の歌

それにしても清里の下里しおん保育園チャペルコンサートホールというのは遠かった。会場がわからなかったため清里からタクシーで直行。なんとか開演までには間に合いました。まあ、その甲斐があってかコンサートの内容は、なかなか良いものでした。
今回、このコンサートに出向いた理由は、ハープの演奏が間近で聴けるということと、ぴっころさんの演奏が聴けるということです。でもほとんど、ハープ奏者の千田悦子さんの手の動きを中心に見ていて、ぴっころさんには悪いかなと思いつつ聴いていました。

ハープの生というのはオーケストラではよく聴いているのですが、室内楽では初めてです。第一印象は、思ったより音が大きく、サスティーン音が豊富なこと。このため余韻を手のひらで止める動作が演奏中しょっちゅう見られました。ときどき「キュイーン」という金属音がするのはこのためだったのですね。これには妙に納得。後こまめにチューニングしていたのが印象的。演奏していると音がわずかづつ狂ってくるのでしょうね。

休憩時間に前から気になっていた調弦について千田さんに質問してみました。やはり平均律で調弦するのではなく純正律を基準にして調弦しているとのこと。ハープの場合は開放弦がフラット系のD♭調になるので、これに調律していくとのこと。このため平均律の代表楽器であるピアノとは相性が悪い楽器であるとのことを教えてもらいました。なるほどね。実際、フルートの場合だとピアノよりもハープの方が合うと思っているのですが、ここにもその秘密があるのかもしれませんね。後、ハープの紹介コーナーでハーモニックスの出し方を見せてもらったのは非常に勉強になりました。ハープの場合、手のひらの腹の部分を軽く付けて弦を弾くとハーモニックスとなり、音も意外に大きい。このため作曲家にとってはいい素材になるのですね。

演奏の方もわりとポピューラの曲だったので楽しめました。ぴっころさんは今回は、すこし体調が悪かったのか高音域を出すのに苦労していましたね。でも音はいつもの通り太くて良く通る音でした。曲の合間での曲解説もおもしろく、ためになりました。
 演奏としては、イベールとフォーレ、カルメン幻想曲が良かったですかね。でも一番よかったのは、アンコールで演奏された浜辺の歌です。これはすばらしい編曲でマニアックな音の使い方。それでいて自然な音。日本でも名のある人の編曲だろうなあ。おそらく三善晃か、その筋のお弟子さんだろうなあと思って聴いていました。後でこっそり楽譜を覗かせてもらったところ編曲は野田暉行とある。なるほどね。ほほ~うという感じで納得。
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by ralatalk | 2005-06-18 21:29 | コンサート

Synful Mac 版登場

予想よりはやくSynful Mac版が出てきましたね。これは「早く購入せよ!」という催促ですかね?
ということで、お試し版をダウンロードしてインストール。お~、やっぱりDP上で操作できるというのはなかなか快感ですね。機能に関してはWin版とかわらず、音色もかわらずということでまずまずのでき。今のところ不具合というのは見当たらないようです。

Synfulに関しては、これからの技術ということであたたく見守っていこうと思いますが、気のはやいことに既にMac版の評価を書いている方がおられるのですね。ご存知、安西さんですが、第一報とは言え詳しいレポートでなかなか読み応えのある内容でした。さすがにプロですね。特にビブラート、グリサンドに関しては同意見。弦の開放弦の要望は、なかなかマニアックな注文。でもこれができていないとうそっぽいというのは本当の話。でも次のバージョンくらいでできそうな内容ではありますね。

 私としては、以下の点が不満ですね。

1.ビブラートの揺れをもっと大きくできるようにしてほしい。
2.低音楽器の音色がサイン波ぽい。コントラバスは、「え~!」という感じ。
3.弦の摩擦音とかのノイズ音がループ的。もっと自然にしてほしい。
4.ビブラートの周期やサイン波ぽいので改善してほしい。
5.音色にもっと色気がほしい。
6.MIDI情報を先読みできるようにして遅延なしでも演奏できるようにしてほしい。

 まあ、この辺は徐々に改善されていくでしょう。

今後の方向性としては、奏者の個性化に向かってくれるとありがたいですね。
ここでいう奏者の個性化とは、奏者による音程、リズムの癖を選択できることでこれができると打ち込みが大変楽になってきますね。
それと、もう少し未来になると、リバーブとか付属するようになるんでしょうけど、そんなありきたりのものではなく、フレーズにおけるアーティキュレーションを自動的に判断して演奏してくれる方向で考えてくれると大いに助かるんですけどね。つまり指揮者のように「そこは抑えて」「すこし突っ込んで」「クレシェンド~」とか「そこで弓を返して」とか「ホルン。音程!」とかの指示に反応できたらすごいうれしいのですけどね。
まあヘボな指示を出して奏者が退場という機能もあってもおもしろいですなあ。

●安西さんのブログ
 Anz's 制作日誌
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by ralatalk | 2005-06-17 12:59 | ライブラリ
アップルの20インチ・シネマディスプレイは広い画面にプラスして、17インチの液晶もサブディスプレイとして使っているため、作業は劇的に効率化しているのですけど、問題は熱ですかね。ずっと作業していると、頬っぺたが熱くなって、頭がぼ~としてきます。部屋の空気の入れ換えはコマメにやっており、冷房も25℃に設定。それでも局所的に温度の高い部分があるので体に悪いですね。
 仕方がないのでアイスノンをタオルで包んだものをディスプレイのスタンドに置いて作業。これで少しはマシになりました。17インチの方は、ほとんど熱は気にする必要がないのですけどね。少し心配になってシネマディスプレイ関連の情報を収集。でも、この手の話題はないみたいですね。iMac 20インチの方も問題はないのかなあ。
 私の今の環境は、3台のマルチディスプレイでやっているのでこれの相乗効果の影響もあるのかなあ。ギガスタ専用機もペンティアム4の3.4GHzということで結構、熱を持つし。これから夏を乗り切れるのか、対策を考える必要があるようです。
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by ralatalk | 2005-06-13 13:01 | Mac
「う〜ん。これは本物。」とおもわずうなってしまったのがナクソスから出た深井史郎の作品集。

b0046888_2305049.jpg『日本のラヴェル』とCDのタイトルにありましたが、オーケストレーション的にはラヴェル先生のそれにかなり肉薄。今まで、ラヴェル先生のオーケストレーションを真似て作曲してきた人たちはかなりの数にのぼると思いますけど、誰一人としてラヴェル先生の心を宿したオーケストレーションをした人はいませんでした。いやこれは言い過ぎかもしれない。弟子のロザンタールはそれをやっている。ただし、オーケストレーションはラヴェル先生の方が格が上。ラヴェル先生と互角のオーケストレーションをやってかつ技巧ではない部分のラヴェル先生の心を宿せたのは、おそらく深井史郎ただ一人。
 

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by ralatalk | 2005-06-06 23:07 | 邦人作曲家
長年、マックは1ボタンマウスで何不自由なく作業してきたのですけど、最近がいらいらさせられることがあって、スクロールホイールマウスを購入しました。いらいらの原因は、DPのノーテーションウィンドウにおけるかぎりなくバグに近い変な仕様です。この件に関しては、Musetexに対しても苦情を申し入れてあるのですが、「MOTUに言っておいてあげる」くらいののんきな対応で直る見込みもなしということで仕方がないという感じですか。

●問題の箇所
ノーテーションウィンドウを開いた状態。楽譜が中央に表示されない。これがDP4.5以降の仕様です。どっかでよく聞く枕詞ですなあ。
b0046888_1171951.jpg

仕方がないので、スクロールバーでよっこらしょ。またアホなことにこの位置を覚えていないのでウィンドウを閉じるとまた上のようになっている。ウキ〜という感じ。
b0046888_1174335.jpg


●回避方法
これは、スクロールホイールマウスを購入してイライラをやわらげるしかありませんな。ということで秋葉へ。困ったことに虎OSに対応していないマウスばかり。当初、横スクロールのできるマイクロソフトマウスを購入する予定だったのですけど、店員はあまり良い顔をしなかったので、ロジクールのマウスにしました。これは虎OSに対応しているとのこと。
b0046888_1411279.jpg


●結果
ストレスは随分と減ったのですが、人間はやはり欲深い。せっかくボタンがいっぱいついているのだからということで、コマンド+Fをマウスのスクロールホイールの丈夫にあるボタンに割り当てる。同時にこれをDPの「ヴェロシティ変更」の機能に割り当てた。なかなか快適なるものの、アプリごとにマウスボタンの機能を割り当てれんのかとか、横スクロールの速度を変更できんのかとか、後から後から不満が出てきた。ほかに、音符を右クリックしたときにメニューが出てそれもカスタマイズできればいいんですけどね。
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by ralatalk | 2005-06-05 01:21 | 音楽ソフト

デュアルモニタ

昨日、マックのモニタをデュアル化しようと思っていたのですが、そこには落とし穴がありました。デュアル化するには、ADC-DVI変換アダプタが必要なんですね。それにしてもADCてアップルの規格のくせに最近のアップルのモニタは、DVI 接続なんですね。知らなかったですわ。b0046888_18452170.jpgということで、秋葉まで行って購入しようとしたんですけど、この価格にびっくり。なんと5773円もするんですね。うえ〜という感じで、30分くらい買うべきか買わないべきか悩んでしまいました。予想では3000円くらいだろうと思っていたんですけどね。結構高い。

で早速、家に帰って接続してみましたが、う〜ん。さすがにデュアルモニタはいいですね。楽譜は20 インチで表示しておき、シーケンスデータやミキサー関連は、17インチで開く。これだったらかなり作業効率がはかどりそうです。
特に楽譜を18段の2ページ分を一気に見れるというのは、おもわずほくそ笑んでしまいました。
まあこれでも30段を越すスコアを書く場合は、不満なんでしょうけど、そんな大規模な曲は書かないし、20段くらいなら縦スクロール対策として、チルトホイール付きマウスも購入済みですからね。

とは言え、「今日は曲作っとらんやんか」という突っ込みがあったりして。
b0046888_18375735.jpg


※ディスプレイによって色合いがかなり違うんですね。
※20インチには、画面を拭くための布が入っていました。これはいかにもアップルらしい心配りですなあ。
※20インチは、結構熱を持ちますね。少し気になっています。
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by ralatalk | 2005-06-04 18:42 | Mac
善 「今回の作品はあまりできがよくなかった。直せば直すほど悪くなる。」
悪 「それは、君の実力不足だろう。もう一度基礎に戻ってやり直した方がよい。」
善 「なる程、対位法でも勉強するか。」
悪 「それもいいかもしれないが、もっといい方法がある。それは、昔書きかけの作品をもう一度、あらたな視点で完成させること。まずは弦楽合奏の曲。これは古典的な調性のある曲だから課題にはいいかもなあ。今のおまえならできるはずだが。」
善 「なるほど、ではやってみるかな」

・・・・・数週間たって

善 「調性曲の場合、パターンにそってどんどん書けるのだけど、だんだんいらいらして来るだよね。」
悪 「ほほう。それは、音楽に対してか?」
善 「いや違う。曲の編成が大きくなると縦横に頻繁に画面スクロールする必要があって、思考がストップすることがあるんだよね。」
悪(ニヤリ)
「なるほど、そういうことなら、新しいアップルのディスプレイを購入しよう。今ならお安くなっているぞ」
善 「しかし、そんな金はないぞ。」
悪 「心配するな。ボーナスは近いし、何も23インチを購入しろと言っているのではない。20インチは10万円を切っているではないか。これは神の思し召しだ。」
善 「その神とはアップルのことではないのか。」
悪 「何を失礼な。芸術の神に決まっている。人は何のために生きているのか?『生は暗く、死もまた暗い』。人生は流転する。ここは芸術のために投資しなさい。」
善 「う。それは.....。」
悪 「ド〜〜ン」
善 (意識不明)

・・・・・今日私は、アップルの20インチディスプレイの前に座っている。なんでだろう。
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by ralatalk | 2005-06-04 01:55 | Mac