VISION SOLO
2008年 11月 02日
弦に関しての評価は、バイオリンとの相性、音色やタッチに関する好みもかなり影響するため、誰かが良いとか悪いとか言っていてもほとんど参考になりずらいです。特に上級者と初心者では評価が異なる場合がよくあります。つまり上級者の方が、弦を評価するパラメーターがたくさんあるからなんでしょうね。初心者の場合、単純に音色が良い、音量があるという理由くらいしかないのですけど、上級者になってくると音の立ち上がり具合、音程が取りやすいかどうか、楽器の響かせ方などが評価パラメーターに加わってくるようです。
もっとも、うまい人になると弘法筆を選ばずということで、弦には関心がない人もたくさんいるというか、こちらの方が大勢のような気がします。
私の場合は、趣味でやっているのでいろいろ試してみたいということで弦の種類を変えています。で、今回のVision Soloですが、張ってみて、芯のあるすごく張りのある音で、音の立ち上がりがはっきり、くっきりしています。とはいえVision Titanium Soloのようなメタリックな感じではないです。前に張っていたインフェルド・レッドよりも音色はや明るい。残響は長め。ただし、ロイヤルオークファイバーよりは短いというか、ロイヤルオークファイバーの場合、残響が長過ぎる気がします。
長所としては、音の立ち上がりが良いので、アタックが付けやすいこと。少しの弓圧でパンと立ち上がってくれるのがうれしい。音色的にも今の好みに合っているし、美探先生からの評価も良いようです。ただし、先生には弦を変えたことは伝えていません。先生の場合、弦を変えたときは大抵はわかるようですね。そんなときは、「今日はよくバイオリンが鳴っている」という表現をよくなさります。そんなときは、それを聞いてニコリという感じです。
気になる寿命に関しては、大抵のナイロン弦で同じで、張ってから2週間したときが一番良くなり、それから徐々に落ちてくるという傾向と、急速に音色が悪くなるかという傾向があります。私がドミナントを使わない理由は、この落ち方がすごく急なのが嫌なのです。
インフェルド・レッドの場合は、この落ち方がかなり緩い感じで、なかなか良い弦だと思っていました。ガット弦の場合も同様に落ち方が緩いです。オリーブを張っていたときは、弦の寿命を決めたのは、巻き線がほどけることでして、これで3ヶ月〜4ヶ月くらい。フェルド・レッドの場合は、それ以上だったのですが、さすがに4ヶ月を越えて使うのはどうかということで交換ししました。Vision Soloの場合は、さて、どちらでしょうかね。
●糸巻き側
●テールピース側