最先端ビバルディ
2008年 08月 24日
さて、ノミネートしてきたのは、以下のCD。
ヴィヴァルディ:調和の霊感 Op. 3 - 第1番 - 第3番, 第5番, 第6番, 第8番, 第11番, 第12番(ターフェルムジーク)
ターフェルムジーク・バロック管弦楽団
指揮:ジャンヌ・ラモン
バイオリン: Elizabeth Wallfisch
日本では、あまり名が知られていないし、私も聴くのは今回はじめてです。でもナクソス・ミュージック・ライブラリの世界では、有名も無名も関係なし。クラヲタやマニア、コレクターの前に平等です。あるのは良い演奏か、悪い演奏かということだけなのです。
と偉そうにいう割には、あまり期待せずに聴いてみました。すみません。
「う〜。これは・・・・」
まさに最先端の古楽の演奏。この
「ええじゃないかビバルディ。さすがにバッハに影響を与えただけのことはある。」
今までは、マリナーの演奏で聴いたのですが、これはロマン派のビバルディ。まったりとしすぎて、この作曲家の長所がまったくでていなかったのですね。
最先端古楽の演奏では、楽譜を譜面通りの演奏することはありません。そうすることが間違った演奏になるからです。ビバルディの時代にあった演奏上の習慣を加味、装飾音を自由に付け加えていく。かつ通奏低音の飛躍的な演奏法の開拓。とくにリズム面を強調。この影響で、クラシック音楽というよりは、民族音楽に近づいています。まるでジブシー音楽のように自由な音楽。「過激だ!」これこそが、ビバルディの音楽の魂なんですね。熱いです。
今クラシック音楽界のなかで、真の音楽を演奏できるすばらしい演奏家はすべて古楽界に集中しているのでしょうか。モダン演奏家の有名ソリストの遙か上のレベルで音楽をやっています。例えば、最近ムターが、バロックの方にも力を入れているのですけど、この最新研究成果を取り入れた音楽解釈力にはとても太刀打ちできていません。マンゼの演奏にも驚きましたが、ターフェルムジーク・バロック管弦楽団 もかなりのものです。
ここしばらくは、サントリーホールでチクタックとメトロノームを鳴らして喜んでいるような停滞しまくっている現代音楽なんて聴くのは、いい加減止めちゃって、古楽の方に行きますかね。その方が、得る物がかなり大きいはず。復活は男のロマンです。