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クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

シベリウス:バイオリン協奏曲

 この曲、実演で聴くことおそらく8回以上。この曲と別な曲目当てで、コンサートに行くと付いてくるオマケみたいな感じで今まで聴いてきたのですけど、どうもピンとこない曲です。とはいえ、世間的には、大変な名曲なようで、最近では、メンチャイベトブラの一角を崩す勢いで演奏されているようです。
さらに熱烈なファーンの方は、シベリウスを聴くならこの曲からはじめるべしという人もいらっしゃるようです。



シベリウスに関しては、交響曲の第5、6、7がなかなかの名曲であると思っているのですけど、有名な第2番とか、フィンランディアとか、こんなのどこが良いのかさっぱりわからんちんです。むしろ難解といわれている交響曲第4番の方がまだ好み。

好みでない作曲家なので、ほっておいても良いくらいなんですけど、困ったのは、ヒラリー・ハーンのコンサート。この曲がメインですからね。この曲をまったく理解していないようでは、高いチケット代金がもったいないので、どうしようかなあと悶々と考えたあげく、聴いてわからない曲は、楽譜をみればわかるだろうということで、買ってきました。これがそれ。

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ペラペラと1楽章をめくりながら思うことは、複雑な転調とテンポチェンジで主題を徹底的に溶解・分解させているので、構造が分かりにくい感じになっているのと、これと合わせ技で、上昇系スケールと分散和音系を比較的長く使っているので、どこに曲のポイントがあるのか分かりずらい。ましてや曲の終曲にいたっても主題が展開されながら出現しているので、何となく雲をつかむ感じがしていたのですね。

この曲の理解のポイントは、主題の再現箇所がどの位置なのかを正確につかんでおくこと。さすれば、ドア・ツー・ドアの展開の構造がわかるということですか。かなりこりまくった作曲法なので、ただ漫然と聴いているだけでは理解不能。でも譜面をみることで曲の構造がわかってきました。

1楽章のカラクリがわかってしまえば、2楽章、3楽章は、1楽章よりも単純なのでそれほど難しくない。ただ、譜面をみているとものすごいですね。この速度で高域の重音が連続とは、3楽章は、かなり大変そう。

ということで、バイオリニスト的には、広い音域と、スケールと分散和音、重音よる技の見せどころ満載で、プロフェショナル的には、とてもやりがいある曲ということなのでしょう。

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↑これが第1楽章のカデンツァ。少しバッハぽいかも。たぶん研究しまくって作ったんでしょうね。

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↑第3楽章の難しい部分。高域の重音がきついし、装飾音もいやらしい。
あれれ、これオクターブじゃなくて10度ですか?でもヒラリーなら軽くやってくれるでしょうね。注目しておきますか、この部分。

これで一安心。曲のポイントをつかめたので、少し聴きこんでみますかね。もっとはやく楽譜を買っておけばよかったですかね。それにしてもハイフェッツだとすごそうな感じがしますね。彼が得意にしていたという理由がわかったような気がします。
by ralatalk | 2008-03-03 23:36 | バイオリン協奏曲