クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

期待の別宮貞雄のプロデュースシリーズ

やってきました、別宮貞雄のプロデュースシリーズ。
今回も期待てんこ盛りです。

さっそく以下を予約。

第656回定期演奏会 Aシリーズ

2008年1月18日(金)19:00開演 東京文化会館

指揮:沼尻竜典
ピアノ*:小川典子
アコーディオン**:御喜美江
語り**:水谷妃里
声楽アンサンブル***:二期会マイスタージンガー

<日本管弦楽の名曲とその源流-5>

* 武満徹:弦楽のためのレクイエム
* 武満徹:アステリズム*
* 武満徹:系図―若い人のための音楽詩**
* ベリオ:シンフォニア***



プレトークあり
【時間】18:35~18:50
【トーク】奥田佳道

それにしても、我ながら、なんやかんや言っても、武満のコンサートにはよく足を運んでいます。
現在までほとんどのオケ曲は、生で聴いておりますね。

 でも、ファミリーツリーは今回、はじめてとなりますので楽しみです。それにしても、大長老、別宮さんの評価している曲と私の評価している曲は、よく合致するので不思議に思っています。保守系作曲家なのに前衛もきっちりと押さえているところがすごいですね。さて、各曲についての感想などを以下に。

●弦楽のためのレクイエム

 弦楽のためのレクイエムに関しては、武満作品で最も演奏機会に恵まれている曲。でも私は、未熟な部分が多いためあまり良い曲とは思っていません。おなじ構成の曲でも、「ア・ウェイ・アロン」の方が、音楽的にも練れていているとは思うのですが、こちらの演奏機会はあまりありません。なぜ、そうなのかということを考えてみるに、「ストラヴィンスキーが絶賛した」という親の七光みたいな理由もありますが、曲を書きたいという渇望の意識が、弦楽のレクイエムの方にあるのでしょうね。「ア・ウェイ・アロン」の方は、大家の貫録で書いただけで、その奥底にあるエネルギーは、やはり弦楽のレクイエムの方が上ということなのでしょう。芸術の評価は本当に難しいです。

●アステリズム

 アステリズム。前回は天才高橋悠治の演奏で聴くことができたので、大変満足していたのですけど、今回、ちょっと不安の要素はピアニスト。この人は、最近、大いに活躍されていて、聴く機会が増えているのですけど、音楽にすごみとか深みが感じられないのですね。これとは逆の知性を感じる演奏でもないし。良くも悪くもお嬢様楽派ですなあ。ここいらで、クラシック音楽の枠を超えた誰もやったことのないチャレンジブルなプログラムに取り組むととか、もう少しスケールアップを期待したところです。
 武満の作品は、結構うざいぐらいにアティキュレーションの指示が細かいですが、これをそのまま表現するのではなく、それを突き破った大胆な演奏を期待しております。アステリズムという曲は、渾沌から解放へのベクトルが明確な曲なので、大いに暴れまわってほしいものです。

●ファミリー・ツリー
 
 私がこの曲を武満の最高傑作であるというと、ほとんどの人はあまりよい顔をしません。でも、芸術家にとって表現したいものを表現しきるというのは、かなり難しい作業。どっかで、ライバル作曲家を意識していたり、観衆へのうけが気になっていたり、後世の評価を考えたりして、スケベー心がでてしまいます。
 真の芸術とは、そんなものを超越した、作りたいものを作るということが最も大事。保守的な作品であろうと前衛作品であろうと同じ。自分を出し切ったという作品に出会えることが、観衆の喜び。
 
 ある意味、武満作品のなかでもっとも保守的で、不細工なサウンドでぶざまな作風と言えなくもないですど、この作品には、武満として言いたいことすべて言い切り、気取りがまったくないというピュアな点が、この作品の生命力を支えています。ぶざまにしてクールな作品。ある意味、強烈なにおいをはなつ発酵食品。なので、この作品のキーは語り。流暢にしゃべられたらこの作品が腐敗してしまいます。とても恥ず痒い内容の詩を照れず、たどたどしく、ゆっくりと。これを水谷さんには期待します。
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by ralatalk | 2008-01-10 12:32 | コンサート