クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

はだかに悶絶!プレーンガット弦

本日、TORO社の裸ガット弦(プレーンガット弦)が到着したので、早速試してみました。
それにしてもですよ。プレーンガット弦は、音質は柔らかくて美しいが音量が小さい。音程が安定するのに時間がとてもかかる。テンションが強い現代のモダン楽器には使えないとか、弦楽器関係の書籍には過去の遺物のように解説されているのですけど、これって、全部うそ八百八町の世界だとわかりました。ちゃんと検証してから書いてくれない困りますね。もう少し弾きこんでみないとわからないですが、もしかしたら、これって史上最強の弦じゃないですか。あまりの音に自分で弾いていて感動してしまいました。今まで弾いていた音はなんだったんだ!というくらい衝撃的。本来のバイオリンの音というものがどんなにすごいのか初めてわかりました。まさにバイオリンに魂が入ったという感じです。




少し興奮気味なので、もう少し冷静になるため到着した弦の紹介などをして行きたいと思います。まずは、裸ガット弦は、国内では、ピアストロのコルダという製品で販売されていますが、今回のTORO社のプレーンガット弦は、国内ではコースタルトレーディング社が扱う最新の弦です。弦の太さに結構種類があって、迷うところなんですけど、まずは標準で選んでみました。
結構太い弦なので、最初試すときは、標準より細い弦で試した方が良いかもしれません。なぜなら、駒の溝やナットの溝をサイズにあうように調整が必要と思えるからです。

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弦の扱い方については、サイトに詳細な説明があります。取り付けるには、ループを作成する必要があります。ああ、それとE線アジャスタは必要ないので外しておきます。E線アジャスタに付けると、切れてしまいます。実際、切ってしまいました。でも、あわてずにループを作り直せばよいだけです。なんて経済的なんでしょう。

以下が取り付けた写真です。愛器の弦四郎丸にいきなり取り付けるのは、怖かったので弐号機の「ひつじ丸」に取り付けました。

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音程がほぼ安定するのは、3時間程度。これは、オリーブやオイドクサよりも早いくらいですね。線が太いので安定しやすいのでしょうか。

他、以下のような特徴があるようです。

  1. 音量
     あります。おなじ太さで比べないといけないのでしょうけど、オイドクサ、インフェルド・レッド、パッシオーネよりもあります。特徴としては、チェロのような力強さと張りがあるように感じました。

  2. 音質
     ガット弦特有のざらざら感がありますが、とても豊饒な音です。優しい音から、野太い音まで、余裕で表現できます。駒と指板の間のどこで弾くのかによって音色が違ってくるので、表現の幅が相当広がると思います。また、ピアニシモの表現が秀逸。かなりの弱音でもかすれることなく美しく響きます。これには感動。駒よりでフォルテで弾くと野性味のある表現も可能です。これくらい音色の変化の幅が広いとバルトークの弦楽四重奏曲などでは効果があるのではと思いました。
     私はオリーブのはるか上を行く音色だと思っています。

  3. レスポンス
     私のようなへぼではわからないことがありますけど、オリーブ・レベルだと思います。オイドクサよりは早いような感じがします。

  4. 操作
     弓を引く時に若干の抵抗感があり、これがとても気持ちよいです。アタックの速度調整がやりやすくスタッカートに細かいニュアンスがだせるような気がします。

  5. 共鳴
     プレーンガット弦特有の豊饒な音があり、共鳴音が非常にわかりやすいので、音程が非常に取りやすいです。これは指の感覚でもつかめるくらいです。

  6. ざらざら感
     ドミナントより強いざらざら感がありますので、これが嫌な人もいるでしょうね。でもしばらく弾いているとこれが取れてくるという情報も得てますのでしばらく様子見ですかね。ちなみに私の楽器では、それほど気になっていません。

  7. E線
     かなり柔らかい音がします。音のひっくり返りはまったありませんね。当然でしょうけど。E線については好みがかなり別れそうな気がします。オリーブの金線とか好きな人には、おとなしくて合わないかも。E線で、他3弦の表情がかわってきますので、いろいろ実験してみるとよいですね。
     弦自体がかなり伸びるので、アジャスタは不要というか役に立ちません。

  8. G線
     この線は、裸ではなく、巻き線がしてあります。たぶん、裸でつくるとD線よりもかなり太くする必要があるので、巻き線にしてあるのかなあ。ちなみにD線はかなり太いです。音はかなり太いです。ミルシティンなんかは、こうした弦を使っていたのですかね。ブーンと開放弦を鳴らしたところ、似たような音色がします。

  9. 松脂
     さらさら系のベルナーデルも問題なし。ただしいつもより大目に塗っておいた方がよいかも。このところは、全国のマニアにおまかせしておきます。

  10. 気になる点
     駒やナットの溝の調整をした方が良いのか悩むところです。これをやるには勇気が必要なんで、少し様子見。とは言え、溝に食い込んでいる弦を見ると、切れないかどうかが心配。もっと細い弦を選択しておいた方がよかったかも。
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    ↑太いD線。他の線は、G線オイドクサ、A線パッシオーネ、E線ゴールドブラカット0.26


 しばらく様子をみないと、良いところ、悪いところの本当の姿はわからないと思っています。それにしても、弦の進化の歴史は、いったい何だったのだろうと思ってしまいます。弦の早期音程の安定が重要な要素だとしても、この音色を犠牲にしてまでも進化していたのですからね。何かワナがありそうな予感。
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by ralatalk | 2008-01-06 23:21 | バイオリン