クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

現代の旗印、それは11月革命、そしてミッチーだ

「すげ〜。。。。すげ〜よ。これは」

交響曲第3番が終了した直後の後ろの席の若いお兄ちゃんから思わずでた言葉。
 うむ、確かに。交響曲第3番は、私もたいしたことがない曲と思っていたのですけど、感動して涙が出そうになりました。すばらしい曲の仕上がりでした。

そして翌日の交響曲第5番は、両手に2本指ずつのバチを高々と持ったティンパニおじさんが仁王立ち。最後に「どっか〜ん」と渾身の一発。後光の花火が炸裂していましたDa!。すごすぎるぞ、これぞショスタコの醍醐味でした。

いや、いや、すごいこれがロシアオケの真の力なんですね。ム、ムムといった感じです。しばらくぼう然としてしまいました。やはり、ショスタコはCDでちまちま聴く音楽ではなくて、コンサート会場で聴く音楽なんですね。

さて、今回も会場マニアモード、激辛批評モード、ミーハーモード解説します。



●曲目
 ≪日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007≫
 11/3 ショスタコ:1番、2番、3番
 11/4 ショスタコ:5番、6番
 指揮:井上道義
 合唱:栗友会
 オケ:サンクトペテルブルク交響楽団
 会場:日比谷公会堂

●会場マニアモード

今回は日比谷公会堂ということで、歴史のあるコンサート会場。会場に到着するとこんな大きな横断幕が貼られておりました。第一回目は、1番〜3番という超マニアックな曲なので、これを聴きにくる人は、猛者マニア達(男)なのだろうと思っていたのですが、意外にも、若い女性や学生さん、小学校の坊やもいて、いつものコンサートよりもソフトな感じです。
 日比谷公会堂の音響については、古い映画館といった感じでレトロ調です。残響は少なく、高域の響きがすぐに減衰しますが、中低音域は良く通り迫力を感じます。残響音よりも直接音が良く聞えるホールで、このため演奏者にとっては、手抜きができませんし、より大きな音を出す為の工夫も必要でしょうね。
 ステージが客席よりも高い位置にあるためこうした特性があるのでしょう。このホールに似た音響を持つホールは他にないので、これを残すかどうかが今後にかかっているわけですね。

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●激辛批評モード

細かなミスは、あったにしてもそんなものどうでも良いくらいに演奏がすばらしいものであったので、今回は激辛の元になるネタがありません。感心したのは、オケがショスタコの音楽を良く理解していて、楽曲にあった奏法や音色を自発的に演奏できているところ。さすがにショスタコの曲を数多く初演をしてきた楽団です。知り尽くしています。
ミッチーの音楽解釈もよく練られており、こういうショスタコを聴きたかったという満足感でいっぱいです。
ミッチーの最大のよいところは、楽曲解釈が明快なことと、音楽の横の流れと呼吸がスムーズで気持ちが良いこと。出すべき楽器は出す、ひっこめる楽器はひっこめるという出し入れが実にうまい。ミッチーダンスも年々、派手になって来ているような気がしますが、これはこれで、楽団員に自発的に音楽を演奏させるという利点があるのでしょうね。
特にティンパニ奏者との相性が良いようで、ミッチーが踊れば、いっしょに踊りながら楽しそうにティンパニを叩いていた姿は、ユーモラスでした。

●ミーハーモード
 サンクトペテルブルク交響楽団は実に良いオケですね。特に低音がしっかりしていてかつ重厚。これぞロシアオケだという感じです。第一バイオリンは精鋭部隊と言う感じで、統率のとれた鋭敏な動きで、これで他のパートをぐいぐいと引っ張っている機関車という感じです。これだけ自主性をもって動く第一バイオリンパートは聴いたことがありません。
 木管楽器は、響かない会場なので、フルート、オーボエがやや苦労気味。でもクラリネットは良く聞えていました。普通、クラリネットは目立つことはないのですが、不思議な会場です。中音域からやや下が良く聞えるのですね。
 金管楽器も、木管同様な理由で苦労気味。でもロシアンブラスの名誉にかけて、すばらしい演奏をしていてくれたと思っています。
 そして、打楽器軍団。最高でしたね。バスドラやシンバルは雷鳴のごとく響き、スネアはビシビシと厳しく、ティンパニは、ミッチーとラブラブダンスをしているし、グロッケンは、手をぱたぱたさせながらウナギを焼いているし。あ、これは、ビブラートをかける秘義ですのであしからず。そしてサイレン。「ウォ〜ン」実に効果的。

 合唱団もよかった。ロシア語、迫力ありますね。

「十月革命! それは待ち焦がれた太陽の使者」
「十月革命! それは蜂起の歴史の結実」
「十月革命! それは労働、そして喜びと歌声」
「十月革命! それは農民と職工の幸福」
「現代の旗印、今を生きる世代の代名詞
 それは十月革命、コミューン、そしてレーニンだ!」

この時代、ショスタコは社会主義の未来を信じていたのですね。
ショスタコの2番と3番を生で聴けるなんて、おそらく、もう一生涯ないことですね。感激です。そして、第5番、ムラヴィンとバーンスタインが、ミッチーとオケに憑依したかのような超名演でした。魂の雄叫び。クラシック音楽を長年聴いていて本当によかったと思える演奏。感謝です。

※ミッチーからの伝言(コンサート会場にて)

 今回、この歴史的なプロジェクトは結構赤字で大変なので、皆さんもカンパの協力してくださいとのこと。
 わたしからも、こんなすごい演奏が、3000円なのですから安いもんです。まだ空き席があるので、コンサート会場に行ってあげてください。ショスタコは生で聴くのとCDで聴くのと感動がぜんぜん違いますゆえ。

※ミッチーの意気込みはここに。
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by ralatalk | 2007-11-04 22:06 | コンサート