クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

美歩さんのコンサート行って来ました

本日、台風ですごい雨が降っていたのですが、何とか会場に辿りつきました。
曲目等は、以前のブログをどうぞ。

今回の会場は、去年完成した新しいホールとのこと。客入りは、天候もあってそれほど良くなかったのですが、若い人が比較的多かったのが良いですね。
 美歩さんというバイオリニストは、私にとっては良く分からんところが多く、その実力を生で聴いてみたいというのが今回の趣旨です。

予想と期待としては、
  1. かなりのテクニックがあり現代音楽物に強い。
  2. 近代音楽への適性は不明。ミヨーとは相性が良かったようだが、プーランク、ラヴェル先生はどうか?
  3. 音色のバリエーションは少ない感じがする。特に柔らかい音が出せるのか?

さて続きは、以下に。会場マニアモード、激辛批評モード、ミーハーモードで。




●会場マニアモード

 杉並公会堂は今回初めてだったので、メモ代わりに記述します。
中型のホール。椅子がゆったりとしているのと、段差をかなり付けているのでホール全体はかなり見やすい。残響は、1秒くらいで、最近のホールの中ではデットな方。ピアノはスタインウェイ&サンを使用。ピアノは弱音であっても良く通る。ただし、バイオリンの高域は減衰気味で、音が通りにくい。弦楽器の演奏には向いていないように思う。当日雨が降っていたのも影響していたのかもしれない。ただし、ピアニストにとってはうれしいホールかも。
 
 後、バイオリニストとピアニストの立ち位置が影響しているのか、ピアノにバイオリンがマスクされる。立っている位置は、真中なのだが、ピアニストと接近しているので、音の分離がとても悪い。ピアノに近づき過ぎないように、私も演奏会のときは、注意しておかないということで勉強になりました。

●激辛批評モード

美歩さんにかぎらず、女性ソリストの全般的傾向として、曲の解釈よりも自分の演奏スタイルの方を優先した弾き方をするため、決まる曲は、ずばっと気持ち良く決まって良いのですが、相性の合わない曲は、まったく駄目。野球でいうと、豪速球投手なのだが、ノーコンだという感じですかね。

今回のストライクは、シュニトケのバイオリンソナタ。これは、恐ろしいくらいにバッシと決まった切れのあるど真ん中のストライク。やはりこの人の現代物はかなり良いです。

ラヴェル先生のツィガーヌは、「それは、ちが〜ぬ」と言いたくなるくらいに曲想と合っておりません。特にツィガーヌには、楽譜に書かれていない微妙な音程感とかジプシー感覚がまったく欠落していて面白みにかけました。この曲は、難曲として知られていますけど、最近のソリストの演奏技術が向上しているので、モーツアルトの曲のようにすらすらと速いインテンポで弾かれるのを聴くととてもがっかり。やっとこさ弾けましたみたいな努力感というか、大道芸人的、「どうだ。すごいだろう」感がないと、感動が薄いのですね。
 まあ、現代的感覚からするとこの感想の方が古いのかもしれませんが。

プーランクとラヴェル先生のソナタの方は、音色にゆとりがもっとほしいですね。特に美歩さんのバイオリンは全般的に張りのある強い音なので、小さな音のバリエーションがもっとほしい気がします。甘い音とか、ささやくような音、柔らかい音、暖かみのある音、広がりのある音、ふっと息を抜く音とか。
 たぶん、予想なんですけど、器楽一辺倒の練習で、あまり声楽を勉強されていない感じがします。これができれば、メロディに歌が生まれるのですがね。ハイフェッツにしても、オイストラフにしても、グレミューオにしても皆、歌を大事にしていますからね。でも最近のソリストは、歌を無視しているソリストの方が主流となっているのが残念です。

まあ、いろいろ書きましたけど、国際級ソリストとなると、これからのキャラ設定が大事なのですが、近代・現代音楽物を中心に活動していくのか、あるいは、もう少し大衆よりにするのか、1〜2年のうちが分岐点になるでしょね。
私としては、才能ある作曲家に新作をどんどんと依頼し、新しい音楽を届ける伝道師的なソリストになってほしいと思っておりますが、どうですかね。

●ミーハーモード

演奏終了後にサイン会がありましたが、「どうしようかなあ」と迷ったのですが、まあ何かの縁だろうということで、ハチャトリアンのCDを購入して、サインをもらいました。これです。
「カール・フレッシュ。これ私もやりました。」と日本語で返答されたのでびっくり。
たいそう驚いた様子で、「これって大変なのよね。」という感じで隣のピアニストさんにも楽譜を見せて、ニコとされ、おちゃめにもこんなサインも追加してくれました。
美歩さんの演奏技術にあやかれるようにお守りとしますかね。


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↓上が美歩さん、下がロベルト・クーレックさん。
 Carl Fleschの文字の上に励ましの文字を書いてくれました。

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by ralatalk | 2007-10-27 23:19 | コンサート