ブーランジェ全曲蒐集計画
2007年 09月 09日
数ある東京のCDショップや総合楽器店で、
「え!それって誰ですか?いつの時代のどこの人ですか。スペルは?」
↑パンチ!
「クラシックの人ですか?」←チョップ!
「声楽曲ならその辺にあるので探してみてください。」←蹴り
という有り様。
しかたないので、最後の砦の渋谷タワーレコード店へ。
いつものめがねのお兄さんはと、あれ、いない。困ったなあ。
しかたないので、近くの普通の店員に尋ねてみると、
「え?そんな人いるんですか。スペルは?」
予想していた通りの回答。これだから下位ナンバーの店員は....。ふう〜。それでもこの店には、やはりありました。2枚だけでしたけど。そこは誉めておきましょう。
他は、入手困難。廃盤とのこと。
入手困難?、廃盤? こんなところで諦めているようでは、クラオタとしてはあきまへん。絶対入手するという気合いと根性が大事なんどすわ。
クラオタでも最上位クラスになると海外にでかけてゲットしてくる強者もいるくらいですからね。でも今はネットの時代。少し気合いを入れて検索すると、このレベルは簡単にできます。
これが廃盤になっている猛者マニアさま、ご推奨のCDでごじゃります。
クラシック音楽CDの専門店 "Giovanni"(ジョヴァンニ)にありました。
頼んでから翌日に届いたのは驚き。
マーク・ストリンガー(指揮)ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団/ナミュール交響合唱団。ストリンガーって何奴という感じなんですけど、現在あるリリー・ブーランジェのCDではベスト版とのこと。
確かに、他のCDでは、合唱団が下手なのもあって、もう少し何とかならんのかいなあと思っていたのですけど、ようやく安心して聴けるレベルになったということです。
たぶん、ブーランジェの作品が演奏される機会は少ないので、いろいろと楽譜上の問題もあるのでしょうね。今一すっきりしないところが、オケの作品にたまにあります。特に、「ある春の朝に」という曲は、ブーランジェ自身が気に入っていて、バイオリン曲の原曲を、三重奏曲、オケ曲に編曲しているのですが、オケ曲に関しては、大きく疑問。余計なパッセージの追加や無理な盛り上げ方をしている部分があって、本当に天才リリー・ブーランジェの手によるオーケストレーションなのか?とも疑っているのですけど、ストリンガーの演奏だと、このところを目立たぬようにうまく処理しております。感心です。
※シャープの切れ味のこの曲をドビュッシー風にブヨブヨにしてしまってどうするんだという感じです。
他、目玉商品の詩篇130番、これは納得の演奏。自然な盛り上がり方をして、暗から明への淡い色彩感を良く出ています。この曲の場合、指揮者は余計な感情移入をやらないでほしいところでして、聴き手としては、深遠の底から淡々と湧き上がる生命エネルギーを堪能したいところでごじゃります。
このところをストリンガーはよく心得ておられるようで感心。このような演奏を聴くとハイティンクの指揮でも聴いてみたくなりますね。
このCDで、ようやく「リリー・ブーランジェの形を見たり。」ということですね。
真と理は、もう少し、曲を聴き込んでいないと見えてこないですけどね。