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クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

番外編:カイザーの親心

カイザー15番(これは仮の姿。本当は17番)

現在、この曲を練習中なのですが、譜面を読んでいるとカイザーの親心が読めるというか、初心者相手によくぞここまでという内容のエチュードになっていて感心しております。

この曲は、トリルの練習曲なのですけど、3部形式になっており、A-B-A’のパターン。初心者用の演習曲では、この形式はめずらしく、大抵は、1つのテーマを変形していく変奏曲形式が多いのです。

曲の構成は、

Aがトリルの練習。Bが16分音符のスケールと分散からなるスタッカート練習、A’がトリル+重音になっており、ついでに曲の最後が重音の練習になっているというかなり欲張ったエクササイズ。




《A》 の部分は、調号がEs-DurなのにほとんどB-Dur。AsにナチュラルがついてAになっています。トリルということで半音の刺繍音(C-H-C,G- Fis-G)もたくさん出てきて、おまけに借用和音も使われているのでとても色彩豊か。その分、音程が取りにくい仕様になっております。まあこの所までは少し調味料の効いたエチュードですが....。

びっくりするのが、《B》の部分。《A》とまるで無関係の16分音符の音形を連結。ベースは、c-molなので、《A》のEs-Durとは、同じ調号の関係(♭3個)。いってみれば親子関係。《A》の部分のEs-Durとは言え、ほとんど、B-Durのように書かれているので、《B》の部分からすると、《A》は本当に親なのかと思える関係になっているところが微妙。それに親とは似ていないし....。半身半妖なのか。

だからなのか《B》はヒネクれて、5度を中心にあちらこちらに転調。落ち着きのない子だ。
As-Durのところまでいったところで家出終了。やはり不安なのか元の調へ戻って来る。が、戻るついでに、ポジション移動するところで意味のないスラーをかけて、弓の返しを逆にしているところが子供のいたずらのようですてき。芸が細かい。少し初心者にはきつい。

ここをクレア(クリア?)して、c-molにやっと戻ったら次に試練が....。

戻ってきました《A'》。でも、家出した子供には、厳しく躾という我が家の方針があるのか、今度は、和音を押さえながらのトリル訓練。指が痛いではないか。それに増4度という気持ち悪い妖魔和音も出てくるし。この和音を切るところで弓を返したいところだが、そうはさせじとスラーがかかっている。う~。弓が足らん。

そして最後は、難関の和音練習。最後のズバ切りが難しい。ここでテレサできれば良いのだが。
これが終了したらパターン練習。今度はトリルの音符が、5つから7つへ増量。上からおりるトリルもあるでよ。ということで、試練継続中なのであった。

私:「うむむ。やるのお。カイザー。だが子を思う親心もほどほどになあ。」
カ:「ふん。これは単なる小者だよ。36番なんかになるとお前なんかいちころなんだがなあ。」
私:「話はそれだけか。用がなければ帰るぞ。」
カ:「パ..。パガ..。パガニーニの首を取りたかったのではなかったのか。」
私:「う。」
カ:「やめておけ。レイトがいくらどうあがいたところでどうにもならんよ。」
私:「組織にパガニーニ討伐の依頼があったとしたらどうするんだ。」
カ:「そうだな。そのときは、パガニーニと組織の全勢力を天秤にかけて、そのとき長(オサ)が決めるさ。心配するな。組織のセヴシックもローデもクロイツェルもカール・フレッシュもそれなりだ。後ろは簡単にとらせんさ。」

山の向こうからクロイツェル:
「いったい私のところに何人のレイトが生きて来れるのか。まったくもって、茨の道だなあ。」

次回へ続く

※この組織て...一体?。
by ralatalk | 2007-06-25 18:07 | パガニーニへの道