クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

100年に一度のビックウエーブがやって来る

ショスタコの交響曲を最近ずっと聴いていて、これは生でも聴いてみたいなあと思っていたところ、こんなすてきな大イベントがありました。!

日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト

それにしても、尊敬すべきは、マエストロ「井上道義。この人の企画するプログラムはいつも奇抜で面白いですね。こんな挑戦的な演奏会では、私に日比谷公会堂に来いと言っているようなものです。よろしい。その挑戦受けさせてもらいますということで、8回連続演奏会のチケットを購入しておきました。



私がコンサートに期待するのは、わくわくするような未知なる曲との出会いです。クラシックマニアでまじめな方は、知らない曲があると、予習するためCDを購入して何回も聴いてから演奏会に挑みます。でも私は、そんなことをすると楽しみの半分以上が消失されしまうと考えているので絶対にやりません。予習するということは、映画の予告編や、原作小説を先に読んでおくという行為と同じで、芸術の持つ最初聴いたインパクトを失ってしまうからです。まあ、これはビールは最初の1杯がうまいという理屈にも似ています。それにCDの演奏と生演奏を比較して、どうだったなんてやっていると音楽を聴いて感動するという行為ができなくなる畏れすらあります。CDの演奏の方が良い確率の方が高いですから、感動に出会えるチャンスが減るわけです。

コンサートでは
 「まったく予測不能で理解が困難だが何かありそうだぞ。」というゾクゾク感があり、後で聴きたいと思ったとしたら、その芸術は本物。反対に私程度の人間に先を読まれてしまう程度の曲ならば、それは単なる失敗作です。

これは本物だという直感は、最初聴いたときに強く感じるものであって、何回か聴いていくと味が薄くなってくるものです。反対に煮物のように味が染み出てくる芸術作品もありますが、「私程度の人間に先を読まれる程度の曲」の中にも実はたくさん存在するので、こんなとき「無知の知」を知らねばと大いに反省するわけです。どちらにしても、初めて聴く曲は、私にとっての挑戦であり、大きな楽しみであるわけです。

さて、ショスタコ。CDでは交響曲の全曲を聴いておりますが、ここで、小声で内緒の話しですが、ほとんど生で聴いておりません。第5番なら聴いたことがあったやもしれませんが、記憶が薄いです。まあ、ほとんどのプロオケが5番しかやっておらず、運がよければ7番、9番、15番が聴ける程度です。極まれに4番、8番、11番、13番、14番もやっている場合があるのですが、なぜか見逃していたり、忙しくていけなかったりして悔しい思いをしておりました。

マーラーなら8番以外はいつでもどこでも聴けるくらい頻繁に演奏されているのですが、ショスタコの場合は、かなりピンポイントで狙っておかないと聴くチャンスを逃すわけです。
※マエストロが密かに国内のショスタコの演奏会のリストを作成しているようですが、これをみてもわかると思います。

ということで今回の連続演奏会は、私にとっても100年に1度のビックウェーブが押し寄せて来ているようなものです。

特に貴重なのが2番、3番、6番というめったに聴けない曲を聴けるということと、かねてから聴いてみたかった11番、13番、14番という最高ランクにある曲を聴くことができることですかね。このレベルの曲になるとCDでは再現不可能な濃密な音がたくさん蠢いていると予想しております。

それに何といっても今回のマエストロ。ショスタコービッチ協会会長にして、マーラー、ショスタコに関しては最高峰の指揮者であること。ショスタコの音楽というのは、実に様々な事象が混ざっており、どれに焦点をあてていくのかが醍醐味なわけですが、日本人ばなれしたカリスマ性と音楽を伝え切る稀有なエネルギーをもつマエストロですから、その解釈が大いに楽しみと同時に、この超困難な試練を乗り切って、聴衆を次のステージへ覚醒させてほしいものです。

不安点としては、大曲ぞろいのショスタコのなかでも猛烈な激烈さを極める11番が、このオケのなかでは下位メンバーである名古屋フィルが担当というのが不安。4楽章までノンストップで演奏せねばならないので、体力が持つかどうか心配なのです。都響クラスでは何とかなるとは思っているのですが、どうなんでしょう。全員、玉砕覚悟で80%の妖力開放で演奏しても、その後に控えしは、これもまた強烈な12番ですからね。これは、第2楽章ですでにボロボロになってしまうであろう楽団員に、人民のためにさらに強大な敵、12番をのり切れらなくてはならないことを示しつつ、それでも「第4楽章を死守せよ」というまるでスターリングラードの戦いのようなプログラムです。これは戦略ですかね。「オケの良き指導者にして教師」の過酷な要求に対し、何人が生き残れるのでしょうか。これはマエストロが名フィルに与えた最大の試練と言えます。

 名フィルさんには、陰ながら応援しておくのでよろしくお願いしますね。12番は体力的に持たないのは仕方ないとして、11番はとにかく全身全霊、プロの意地と誇りをかけて気合い全開で演奏してください。特に金管と打楽器には、期待しております。
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by ralatalk | 2007-06-08 18:06 | コンサート