クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

シマノフスキ:バイオリン協奏曲第1番、第2番

ハードディスクレコーダー君が、自動録画してくれていた、ある日本のバイオリンコンクールを少しみたところでがっかり。課題曲にメンデルスゾーンとラロの曲があったのですけど、みんなメンデルスゾーンを演奏とのことで、ラロを演奏したのは一人もおらず。どうして日本人は評価の定まった有名曲ばかりをやりたがるのか不思議だし、ましてやコンクールを受けてこれからプロになることを目指す人が、これですか。トホホ。




ハイフェッツなんかは、有名でない曲ほど一生懸命に演奏し、少しでも、この曲を後世に残していきたいという強い意志を感じるのですけどね。ハイフェッツのコルンゴールドの演奏なんて、聴いていてこの世のものとは思えない美しいバイオリンの音に、ほとんど呆然としてしまいましたね。おそらくこの演奏は、ハイフェッツにとってのベスト録音の一つでしょうね。

他にもイザイ、クライスラー、シゲティ、クレメル、最近では、ムター、ヒラリハーン、ベンゲロフの一流ソリスト達は、常にバイオリンの曲のレパートリー拡大に熱心ですかね。

ということで、音楽を伝承していくという大事な使命感がないような日本の若者に大いに失望し、見るまでもないということで、この録画はさっさと消してしまいました。

さて、愚痴モードここまで。

今回は、シマノフスキのバイオリン協奏曲を聴いてみました。
シマノフスキは、あまり馴染みがなかったのですが、結構、いろいろな本を読んでいるとこの人のバイオリン協奏曲のことは良く出てくるので、一度聴いておきたいと思ったしだいです。

以下がそのCD。

ソリストは、Lydia Mordkovitch
オケは、BBCフィルハーモニック
指揮は、Vassily Sinaisky

まず、このCDに入っていた演奏会序曲から聴いてみたのですけど、これは???。なんかリヒュアルト・シュトラウスのパロディ?。愉快ないたずらとか英雄の生涯、ツァラトゥストラなどの音楽を思わせるような音楽。
まあ、普通なら2流の作曲家という感じですませてしまうのですけど、なんとあのリヒュアルト・シュトラウスよりもオーケストレーションの技術が上なのでは?と思ってしまう部分もあり、その技術力にはなみなみならぬものを感じてしまいました。

次にバイオリン協奏曲第1番 op.35 (1916年)を試聴。

この曲は、シマノフスキの第二期の作品ということなんですが、先のリヒャルトシュトラウスに今度は、ドビュッシーとラヴェル先生のオーケストレーションを取り込んでさらに豪華になっています。
バイオリン独奏と各オーケストラの楽器群のからみが、すごくうまいというか、うま過ぎるオーケストレーション。ハープ2とチェレスタを使った響きは豪華なんですけど、バイオリンの音はよく通るように設計されていて見事です。これができるのであれば一流の証ですね。シマノフスキには、あなどりがたしです。
ただし、この音楽は、聴く人によっては、好き嫌いがはっきりわかれますね。私的には、少し古い時代のフランス料理のこってり感という感じですが、レヴェルの高い音楽であることは間違いないです。

バイオリン協奏曲第2番 op.61 (1932-33年)

1番の方が、単一楽章で、3管編成のハープ2、チャレスタ付きの豪華オケ付きだったのですが、こちらは、少し規模を落として2管編成。ただし、ピアノ付き。曲も四楽章構成になっております。シマノフスキの最後の大作との事。
あいかわらず、オーケストレーションが抜群にうまいので、編成が小さくなっていることに気が付きません。まあ笑ってしまったのが、第一楽章でストラヴィンスキーの春の祭典のエコーが聴こえる部分ですね。この人は、本当にいろいろな作曲家のオーケストラを猛烈に研究しまくっていますね。

この2番の方もバイオリンのカデンツア部分とオケのからみは絶品です。ソリスト的はとてもおもしろい曲なのだろう思いました。

総括としては、オーケストレーションは超一流で、曲の構成もしっかりしているものの、1番、2番ともに全体的に波乱が少なく、すべて予定調和の中で、作品が作られているので、私的にはもの足らないですね。
バルトーク、ベルク、ショスタコ、プロコフィエフ、ストラヴィンスキーなんかにある意外性の要素、大胆な削ぎ落とし、象徴化、芸術としての突き抜けてくるものがあれば、もっと優れた作品になっていただろうにと思うと少し残念です。
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by ralatalk | 2007-03-18 00:55 | バイオリン協奏曲