クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

東川先生の「移動ドのすすめ」

 東川先生の「移動ドのすすめ」は絶版ということなので、手に入らず。こうした重要な本が、絶版というのも音楽後進国ならではのことですね。仕方が無いので東京都内の図書館をインタネットで検索して、本を借りることにしました。近くの図書館から手元に来たので早速、短調のこととか、重要な箇所から重点的に読んでみましたが、まあ、この本の方が啓蒙書である「読譜力」より、遥かに詳細に掲載されていました。特にトニック・ソルファ法について詳しく記述されておりうれしく思いました。

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ただ、全体に東川先生の著作を読んでみて、感じるのは、伝統的な移動ドでやるべきか、トニック・ソルファ法、あるいはコダーイ・システムでやるべきとかいう主張が、はっきりしていないのですけど、おそらく、トニック・ソルファ法とかコダーイ・システムを学校教育に組む込むのは難しいとお考えなのでしょうね。私も実際に難しいと思います。だいだい教えることのできる教師がいないですし、最も困難な課題は、教師が純正律で歌うことができなけば、生徒に教えることは不可能です。

学校教育では期待できるところがないとしても、現場では、もっと高度な移動ドの技術が必要なので、トニックソルファ法とかコダーイシステムの普及の方が重要かもしれません。何分、ほとんどの楽曲が、例えば、ハ長調の楽曲ならハ長調のドレミファソラシド以外にもファ#、ド#、シ♭などは普通に出てくるので、これに対応できなくては話になりません。移動ドの難しいところは読替え技術の訓練が必要なことです。器楽の場合ですと、音符の音程がどの調でも同じである固定ドの方が、わかりやすいので取っ付きやすいし、教え易いということもあって普及したのでしょう。

 でも固定ドでの問題点は、音律を12音の音の高さの中でしか認識できないこと。移動ドでは、音律の微妙な音程の違いを感覚的に表現できる。これが旋律楽器であるバイオリンの場合、大きな利点となるわけですね。レッスンでは音程が高いとか、低いとか良く注意されますが、音律のなかでの正確な音程を認識して置く必要があります。つまり、バイオリンは平均律の楽器ではないということを意識しておくということですか。
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by ralatalk | 2006-05-21 23:19 | 移動ド