イルマス教授
2006年 05月 15日
仕方がないので、東京都内の図書館に連絡して、著作を貸していただけるように現在交渉中です。
で、探していると思わぬところから回答があるもので、外人さんに古賀書店と下倉楽器を道案内した帰りに、イルマスさんのいる店へいったときのことです。
イルマスさんといつものようにバイオリンとか音楽の話をしていて、駄目元で、トニックソルファ法について尋ねてみたところ。
イルマスさん、曰く。
「知っているも何も、それは僕の専門です。他にコダイ(コダーイ)・システムも知っているよ。」
とのこと。
「それはすごい。」
「僕の専門は、バイオリンではなくて作曲。今までに交響曲、バイオリン協奏曲、弦楽四重奏曲なんかも書いたし、大学でシェーンベルクの作曲技法という本で学んだよ。日本に来たときも、アニメの音楽を提供したこともあるよ。」
とのこと、さらに続けて、
「僕は、楽譜をみてバイオリンを弾くよりも、はるかにうまく、そして早く、頭の中にある音楽を演奏できる。作曲には、ピアノは使わないし、譜面があればいつでもアレンジできる。」
とのこと。
「バルトークとかプロコフィエフみたいな曲でも、可能?」
と少し意地悪な質問をすると、
「もちろん。得意です。ジェリアード音楽院では、東京カルテットに僕の曲を演奏してもらったこともある。」
(うっそ〜。)これは、ショスタコーヴィチなみの才能ではないですか。こんなすごい人が、お店の店員さんとは信じられない。
確かに、イルマスさんは、アマチュアが書いてくる楽譜の間違いは、すぐに指摘できる人だったので、能力が高い人とは思っていましたけど、これほどのレベルにあるとは、正直びっくりです。
シェーンベルクの作曲技法の話もしてくれました。聞いていて、もしかしたら日本でも出版されているこの本「作曲の基礎技法」は、かなり中身を省略されて出版されているのではないかと疑問に思ったぐらい、詳しく知っています。
あまり長く話していると商売の邪魔になるだろうと思い最後に質問。
「トニックソルファ法の階名を日本語に直すのは難しいのですよ。どうしたらいいですかね。」
というと、
「そうですね。日本の場合、音符にドイツ語、イタリア語、日本語というごちゃごちゃで教えていますからね。トニックソルファをやりたいのであれば、英語でやりましょう。まず、音程の呼び方について覚えてください。」
とのこと。
う〜ん。むちゃくちゃに感動。それにしても、このお店には、凄腕職人のイエレさんもいるし、音楽大学作曲家教授レベルの知識をもつイルマスさんもいる。おそらく、一般人相手のお店としては、世界最強の弦楽器専門店なのかも。
※追記
イルマスさんに、Dancla(ダンク)というフランスの作曲家のバイオリン教本は、メロディが美しくていいぞ。と紹介されました。楽譜は、オレンジ色の表紙とのこと。誰か知っている人いますかね?