トニック・ソルファ法
2006年 05月 12日
ということで、まずは手っ取り早い方法としては、移動ドによるソルフェージュを習いに行く必要があると思いますけど、そこまではさすがに時間のゆとりがありません。しばらくは独学になりますね。もともと与えられた課題を黙々とこなすよりも自分で考えながら勉強するというのが、結構好きな方ですからね。
まずは移動ドといってもいろいろ方法論があるようで、日本の学校で教えているようないいかげんで滅茶苦茶な移動ドではなく、純正律を目指した移動ドとしては、トニック・ソルファ法かコダーイ・システムがあります。これについて本格的に解説した日本語の解説本はなく、東川先生の各著作に部分的な解説として掲載されているので、それを道標として学んでいくとしますか。
ちなみにトニック・ソルファ法について、音友の新音楽辞典の説明によると、以下のようですね。
イギリスのグラヴァーが19世紀のはじめに考案し、1840年ごろにカーウェンが完成した移動ドによるソルミゼーション。読み方は以下の通り。
□白鍵(ドレミファソラシド)
doh(ド)ray(レ)me(ミ)fah(ファ)soh(ソ)lah(ラ)te(ティ)
■黒鍵(ド、レ、ファ、ソ、ラのシャープ読み)
de(ディ)re(リ)fe(フィ)se(シ)le(リ)
基本は、母音にイを用いる。
■黒鍵(レ、ミ、ラ、シのフラット読み)
ra(ロ)ma(モ)la(ロ)ta(ト)
基本は、母音にオを用いる。
旋律短音階の場合は、F#をfeではなくba(ベイ)とする。
ここでbaを使うのは、「なんじゃそれは!」と最初は非常に不思議に思いましたけど、これは純正律の究極の奥義みたいなものであるということがわかりました。詳しくは、東川先生の「読譜力」を読んで頂いた方がいいですね。ここの記述については音楽的にすごく感動しましたので、まだ読んでいない人の楽しみを取ってはいけないだろうと思ってあえて説明しません。
トニック・ソルファ法では、臨時記号にもきっちりと階名を付けているところが「偉い」のですけど、日本語読みするとre(リ)とle(リ)とか、ra(ロ)、la(ロ)が区別がつかないのが問題ですね。その点でうだうだと馬鹿みたいに反論する人もいますけど、自国の音楽文化を育てようとする高いこころざしを教育者なら持て!といってあげたいです。そのまま輸入できないのであれば、「アレンジ」すればよいし、そうしたことができることこそ日本の文化良いところです。
まず、私がアレンジするのであれば、シをティと読ませるには、かなり抵抗があるでしょうから、シはそのまま残し、日本語で区別ができないre(リ)とle(リ)とか、ra(ロ)、la(ロ)と、SE(シ)を考えます。一応は、以下のように考えてみましたが、これはかなり実践してみないといけない課題です。
●ららトーク流の勝手なアレンジ
まあ、私がやらなくてもトニック・ソルファ法の階名を日本語で区別できる階名くらい、既にあるものだと思いますけど、とりあえず考えてみました。
□白鍵盤
ドレミファソラシドはそのまま残す。
導音であるシをティにすることは、さすがの私もかなり抵抗がありますのでティは使用しないことにします。
■黒鍵(ド、レ、ファ、ソ、ラのシャープ読み)
ド#→ディ レ#→リ ファ#→フィ ソ#→ヒ ラ#→キ
母音をイで統一。
※ヒラヒラというのが、木の葉が落ちるイメージになりますね。
■黒鍵(レ、ミ、ラ、シのフラット読み)
レ♭→ロ ミ♭→モ ソ♭→ノ ラ♭→ホ シ♭→ト
母音をオで統一。
※ソ♭については、ほとんど出現する可能性は少ないようですけど考えてみました。
これを半音階で歌ってみると
下から上へ、ドディレリ ミファフィソ ヒラキシ ド
上から下へ、ドシトラ ホソノファ ミモレロ ド
まあ、発音はできるようですね。
余談ですけど、トニック・ソルファ法で少しひらめいたのが、これならシェーンベルクの12音技法でもOKなのではないかと喜んだ瞬間に、これって固定ド読みしているのと
同じにならないのかなあ?とふと疑問に思ってしまいました。
この疑問は、東川先生の「読譜力」を読んでいくとそうではない、つまり純正律を基準とする移動ドの考え方と、平均律を根本原理とする12音技法では、土壌が違うのですね。まあ、書き出すと長くなるのでここまでとします。