クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

移動ドについての様々な意見

移動ドについての資料を探しはじめているのですけど、国内においては本当に少ないですね。まあ、この分野の権威は東川清一先生ということで、著作を手に入れようとしていますが、なかなか入手しずらい状態ですね。古本屋めぐりしてみますかね。
とりあえず「読譜力 伝統的な「移動ド」教育システムに学ぶ」は入手できたので、現在勉強中です。それにしても音楽レベルの高い本で、こういった本が出版されていることに日本人として誇りに思います。「音楽とは何か」を考える上で非常に読み応えがある本であります。
 まあ、この本に書いてあることは、後々書くとしても、とりあえず、移動ドについての音楽辞書とか楽典とか読んでみましたが、汗をかかないで他者が書いたことをなんの検証もせずに決めつけている駄目駄目君の解説や、移動ドに対する短なる感想文に過ぎない記述に、かなりがっかりさせられました。

で、こうした教科書で指摘されている内容について考えてみました。

●否定的意見

・無調音楽で利用できない!

 →無調音楽といっても12音、セリー、旋法音楽、神秘和音、複調、5音階、6音階、微分音、確率統計、ミュジックーコンクレート、偶然性、環境音楽、図形楽譜、トーンクラスターといろいろありますけど、固定ドだろうが移動ドろうが、ほとんど関係ない世界のものが多いですからね。意外に思うかもしれませんが、12音の場合、技法的にはバッハ時代のカノン技法の拡張なので、意外と移動ドの方が音楽をつかみ易かったりするのではないかとすら思います。

・民族音楽で使われているような旋法の演奏が困難!

 →民族音楽を西洋音楽の音律でやるというのがそもそも野蛮な発想。インドとかアラビア、バリなんかの民族音楽は、もちろんのこと。日本の民謡ですらもともと西洋の音階にはない音を使うので固定ドでも移動ドでも元々無理なんですけどね.....。ヨーロッパでもルーマニア民謡とかは、すごい音程になっていますからね。
 日本の音楽の場合は、結構研究されていて、割と中心音があるので移動ドでも十分可能というか、むしろ移動ドで適用した方が、いろいろな調子で歌えるので有利ですね。

・複雑な転調では演奏が難しい!

 →これは一理ありそう。移動ドは、基本的に純正律を基準にしているので、エンハーモニック転調といった平均律ならではのテクニカルな転調が入ってくると難しいかも。ワーグナー、ドビュッシー、ラヴェル先生、バルトーク、ストラヴィンスキーではよく出て来ますからね。ジャズはこれが基本になっていますしね。このところは研究してみますかね。

・楽器の指使いが移動ドで読むと難しくなる!
 →これが、個人的な最大の問題ですかね。さあどうしましょうか。

●肯定的意見

 ・絶対音感がなくても歌えるようになる。
 →Good。

 ・古楽器など標準ピッチ以外での演奏のときに有利
 →Good。逆におそらく古楽器奏者で絶対音感の人は、かなり悩んでいるのでしょう
ね。
 
 ・その調にとって一番美しい音程で旋律で歌えるようになる。
 →Excellent!。私にとっての最大の採用理由です。
  その調にとって一番美しい音程は、必然的に12平均律から少し外れた音程に
なります。固定ドだとそれが意識できないので表現するのが難しいのですよね。

 ・ハモる技術が身に付く
 →Excelent!。移動ドは、純正律を基準にしていますからね。

 ・移調を意識し、曲の構造を把握できるようになる。
 →Good! シャープやフラットがいつでてきてもあわてない、あわてない。

 ・特殊調弦された弦楽器の演奏が楽になる
 →これはおまけ。
人類史上最高のバイオリン曲の一つであるビーバーの「ロザリオ・ソナタ」。スコルダ トゥーラを使いまくった難曲なくせに、その音楽は完全な癒し系。
これを演奏できるとなると、これはめちゃくちゃにすごいです。世界中の凄腕バイオリニストでもこれを弾ける人はほとんどいませんから。

と、ご意見をまとめてみました。
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by ralatalk | 2006-05-11 23:13 | 移動ド