人気ブログランキング | 話題のタグを見る

クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

弦楽器雑誌:サラサーテ

本日、弦楽器雑誌のサラサーテの春号をぱらぱらと読んでおります。

この季刊紙は、音楽雑誌全般から考えても、かなりの高水準でタメになる記事が多いので、早く月刊紙にならないのかなあと期待しております。
多分、これほどに高水準な記事になっているのは、評論家がいないということでしょうか。執筆者の皆さんはみんな汗をかいているのがよくわかります。
また、クラシック音楽にこだわっていなくて、音楽界全体としての弦楽器という位置付けもいいですね。他ジャンルの動向もわかるので結構楽しいです。



連載では、柏木さんの書かれておられるバイオリンのレッスンの内容は、すごく良くて、バイオリンの先生にもお見せしたところ、かなり感心しておられました。私の先生は、幼いころからバイオリンを弾いておられるので、私のようなレイトスターターを教える技術資料としてタメになるようです。今回は、「故障を防ぐための体の使い方」というものでしたけど、やはりバイオリンは姿勢が大事なんですよね。

他に、ギトリス爺さんのお話も、「完璧を求めるな」という独特の主張もおもしろかったですね。こういう記事を読んでいると、ギトリス爺さんと天才高橋悠治がバイオリンソナタをやって、お互いの個性がぶつかり合ったらどうなってしまうんだろうかと、まったく予測不能でわくわくしますね。

最後に気になったのが、ビオリストの今井信子さんが語っていた、バルトークのビオラ協奏曲の話。バルトークのビオラ協奏曲には、旧版と新版とがあって、版の違いの疑問点を解決するためにフロリダに住むバルトークの息子さんであるペーターに会いに行った話とか、さすがプロという感じです。新版と旧版は別物だから混ぜては駄目というご主張は、こうした調査に裏付けされたものなんですね。さすがです。

最後に、この雑誌の弱点は、ページ数のわりには価格が高いことですかね。でも今のところは、価格以上のすばらしい内容なので良いのですけど、千円くらいにしてくれると買いやすいですね。それには、もう少し部数が増えると良いですね。

追記:
 なんと凄腕バイオリン&弓職人のイエレさんが紹介されていますね。イエレさんからは、ハイティンクを知っているかと尋ねられたときに、「もちろん日本でも有名なマエストロです。マーラー、ブルックナー、ショスタコーヴィチどれもすばらしいですね。」というと大変、うれしそうなお顔をされたのが印象的でした。イエレさんはオランダ出身なんですよね。次回のバロック弓講座、期待してますよ。
by ralatalk | 2006-03-11 02:24 | 音楽エッセイ