クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

地震の後のコンサート

7月23日、東京で大きな地震がありました。このとき私は渋谷に居たのですけどまあいつもの揺れだなあということで、何も気にもしてなかったのですが、突然、大阪から母親から電話があって大丈夫かという安否を気遣う電話がありました。
「まあ大したことないよ。この程度はいつものことと」と説明しておきましたけど、帰りに驚いたことに、都内のほとんどの鉄道がストップする事態になってしまいました。
「なんだ、これは?」としばらく呆然としてしまいました。どうやら復旧にはかなり時間がかかるとのことで、映画をみるかコンサートに行くか考えて、ちょうど六本木行きのバスがあるというので、サントリーホールに行くことにしました。到着時間が19時半とコンサートが始まっている時間でしたが、半額チケットを手に入れて入場です。
 コンサートは偶然にも前回のプロメテのときと同じマエストロ井上と読売日響でした。名曲コンサートということであまり期待していなかったのですけど、何とシュニトケの作品があるじゃありませんか。う〜ん、これはラッキーです。でも名曲コンサートにシュニトケを入れる感覚がマエストロらしいですね。
 曲目は以下の通り。

指揮:井上 道義
■モーツァルト: 歌劇〈ドン・ジョバンニ〉序曲 K.527  →これは聴けず
■モーツァルト: 交響曲第40番 ト短調 K.550    →これは聴けず
■シュニトケ: モーツァルト・ア・ラ・ハイドン
■ハイドン: 交響曲第45番 嬰ヘ短調〈告別〉

このレベルのプログラムでB席7000円というのは高すぎる感じがしますが、途中入場なので3500円になりました。これだとまあまあの価格ですかね。

名曲コンサートにしては、地味なプログラムの感じがしますけど、シュニトケの曲とハイドンの告別には密接な関係があるので、こうしたプログラムを組んだマエストロになかなかの遊び心を感じますね。

シュニトケは結構、現代音楽の分野では有名な作曲家ですけど、作風が多彩かつ地味なので良くわからない部分のある作曲家です。今回のこの曲は、現代音楽の語法を多彩に使った「お笑い作品」です。これはちゃかしているわけではなくて本当にお笑いを目指した曲で、モーツアルトの有名曲と現代音楽をハイブリッドした曲、かつ演奏者が指揮者に追いかけられて舞台のあちらこちらを楽器を演奏しながら逃げ回ったり、演奏者が抗議の演奏に指揮者がたじろいだりと、何かチャップリンの無声映画をみているようで演奏中、観客も始終笑っていました。
 
 編成が変わっていて、真中にチェロ2とコントラバス1、舞台左側にバイオリン3、ビオラ1、舞台右側にバイオリン3、ビオラ1、指揮者の左右にバイオリン1ずつとなっています。真中のチェロとコントラバス以外は、演奏者や指揮者が舞台のあちらこちらを動き回ります。

次にハイドンの告別です。この曲に関しては、若かりし頃、聴いた記憶があったのですけど、もうすっかり忘れています。もちろん演奏会では初めてです。この曲は結構かわった曲で、演奏中に1人、2人とお辞儀をして演奏中に抜けていき、最後はバイオリン2だけになるという曲で、なぜこんなことになるのかは有名な逸話があります。

シュニトケの曲の場合は最後は指揮者だけが残るというものですけど、このときの照明の使い方がうまかったですね。プロメテをやってからマエストロ、照明付きがお気に召されたのかな。とにかく行っておもしろいコンサートでした。

最後にマエストロが舞台に立ち、「私たちは演奏会の途中で人が減り、お客さんは(地震の影響で)増えてくる。何とも不思議なコンサートでした。」とお別れの挨拶をしました。確かに不思議な日でした。

●追記:
ハイドンの告別に関する有名な逸話は、ヤマハのサイトにありますね。
名曲ガイドより
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by ralatalk | 2005-08-02 01:13 | コンサート