クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

マイ・ウェイ・オブ・ライフ

先程、ずっと楽しみにしていた武満徹の「マイ・ウェイ・オブ・ライフ」をNHKのテレビで観ることができました。でも何というか、これが本当の武満の世界なんですかね。武満の音楽を媒体とした日本人の生活の現状を表現した劇というか、フランス文化人好みの退屈な抽象性を取り込んだ三流映画ぽい作りにはがっかり。外人には日本人がこのような感じで捉えられているのですかね。テーマが人生というのであれば、もっともっと深堀できたような気がするし、日本の一流の映画監督とかアニメ監督かに演出してもらえば、もっとすごい世界を表現できたであろうに。演出のレベルの低さにはがっかりです。熊さんが出てくるのは、アニメのアキラの影響があるだろうし、お色気お姉さんが出てくるのは、これも庵野監督の撮ったキューティハニーとかの影響もあるんでしょうかね。ついでにトトロも出しといてくれという感じです。まあこんなところで愚痴っていても仕方ないですかね。日本人の世界は、日本人が作らないとね。
 まあ悪いところを指摘していても仕方がないとして、良い部分もあることはありました。それはファミリーツリーをフランス語で聴くことができたのと、演出もこの曲の場面だけは合っていたように感じます。
 武満が本当にオペラを作ることができたかどうか?作曲技法のバリエーションがかなり少ない人なので困難な作業になったであろうと思いますが、ファミリーツリーの延長線にある作品だとは予想できますね。
 このオペラを観ていてふと思ったんですけど、もしかしたら諸井三郎の交響曲第三番をオペラ仕立てに演出を加えてもおもしろいかなあ。戦争末期にほとんど死を覚悟した日本人作曲家の壮絶な苦悩というのがテーマとしてそそられますなあ。この時代、時局音楽を書かなくては殺されるかもしれないという極限の状態でしたからね。そこに橋本国彦や伊福部昭も加えてということになるとなお興味がそそられます。
 こういうオペラなら是非観てみたいものです。
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by ralatalk | 2005-06-20 00:50 | コンサート