クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

ギブ・アップ

ゲザ・ホッス=レゴツキ ヴァイオリン リサイタルにいってきた。
アルゲリッチも絶賛ということで、期待と不安の入り混じった状態でトッパンホールへ。
アルゲリッチの好きそうな演奏家はおおよそ予想できるので、今回は悪い方の予想があたってしまった。
アメリカの有名教師に習った演奏家はほとんどがそうだが、とにかく音が汚いのである。敗軍の野武士のように弓毛を一楽章ごとにぶった切る無駄な弓さばき。可哀想にバイオリンが悲鳴をあげている。弓もボーがこすられ相当傷ついたように思える。
バイオリンの大きな音というのは、体全体の動きを使って出すものであって、強引なボーイングによって出すものではない。派手な動きに意味はない。無駄な力を使わないことが本筋であり美しい音へ繋がる。
レゴツキは誰の先生にならったかはわかならないが、想像はできそうだ。

とはいえ、この手の演奏家の演奏を気に入る人もたくさんいるので、感動したという人もいるだろうし、それが悪いとか良いとかいうつもりはない。ただ、ただ、私の目指している音ではないということだ。

私の理想とする音は、あのテツラフが演奏してくれたように、どんなに強く弾いても音が割れない朗々とした音、そしてやさしい音。かつ音楽に歌心と深みがあることである。さらにアンドリュー・マンゼやカルミニョーラがもっている音楽の楽しさ伝える何か。遊び心。多彩な音色。

レゴツキの場合は、音楽はとにかくフォルティシモ、常にフォルテ。ピアニシモであっても気持ちはフォルティシモ。うるさいのである。それに合い方の酒井茜もうるさい伴奏。テクニックさえあれば、ミスさえしなければ、何をしても許されると傲慢なコンクール・ミュージック。楽曲を理解して演奏しようとする気持ちが微塵もない。
第一曲目のグリーグの第三番も、最初この曲を弾いていることがわからなくておもわずプログラムを読み返してしまったくらいだ。叙情が乱暴に踏みにじられている。

その結果、聴衆の拍手もまばら。このホールの常連さんたちは、トップレヴェルのバイオリニストの音を知っているのでこの拍手もうなづける。

ブラームスはもっとひどい音楽だった。
これ以上は耐えられない。聴いてもしかたない。前回、耳に残っているテツラフとの演奏が汚されると思い、休憩後に退散することとなった。久々のギブアップである。



2011/5/26(木) 19:00開演
ゲザ・ホッス=レゴツキ ヴァイオリン リサイタル


1.グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 Op.45
2.ガーシュウイン:3つの前奏曲
3.ブラームス:スケルツォ
(休憩)
4.クライスラー:愛の悲しみ/愛の喜び/美しきロスマリン Op.55-4/ウィーン奇想曲 Op.2
5.ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
6.バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
7.サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチォーソ Op.28
8.ヴィエニャフスキ:ポロネーズ第1番
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by ralatalk | 2011-05-27 12:52 | コンサート