クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

久々の弦楽四重奏

この前のカルミニョーラの演奏会のときにコートをクロークに預けていたのだが、演奏のあまりのすごさに頭がポーとしたせいか、コートを置き忘れてしまった。翌日にトッパンホールに連絡をとると、次の演奏会のときに取りに行くのがよいだろうということになり、コンサートに行くことにした。

クァルテット・アルモニコという弦楽四重奏団は、まったく知らなかったのだが、ネットで調べてみるとなかなかの評判であることがわかった。特にアンサンブルの精度が非常に高いとのことだった。それとウェーベルンの作品が好きなため聴きにいくことにした。




●クァルテット・アルモニコ 12/4
   トッパンホール
菅谷早葉(Vn),生田絵美(Vn),阪本奈津子(Va) ,富田牧子(Vc)

プログラム
ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.64-1 Hob.III-65
ウェーベルン:弦楽四重奏のための5つの楽章 Op.5
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番 ハ長調 Op.59-3 《ラズモフスキー第3番》

まず全体的な感想としては、アンサンブルの精度が非常に高いものがあり、バイオリン、ヴィオラ、チェロの実力が拮抗していたのが好印象。弦楽四重奏の場合、どれかひとつ突出していても、またはその逆でもあまり良い演奏にはならないのだが、意外にこうした団体は多いように思う。個人的には、ビオラはもっと音を出して良いと思うのだが、これはアンサンブルのバランスを考えてのことだと思う。

ハイドンの演奏

ハイドンは、最近古楽の演奏で良く聴いている。古楽の演奏のよさというのは、ビブラートによる見かけの音の美しさに頼らず、4つの楽器の会話をたのしむという演奏ができること。特にモザイクSQ、ブッフベルガーSQの演奏が一つ一つの音にハイドンの高度なフェイントをかませる作曲技法というのがよくわかる演奏で好印象。
  今回の演奏では、そこのところは強調されずに、丁寧に淡々と進んで演奏されたので、少しがっかり。もっと楽曲を深く読み込んでほしい気がした。ハイドン弦楽四重奏曲では、全体のアンサンブルを丁寧にまとめるやり方だと面白く聴こえない気がする。

ウェーベルンの演奏

さすがにアンサンブルには定評がある団体なので、ウェーベルンのもつ音色の微妙さとダイナミックス。その対比がみごとに浮き彫りにされた演奏であった。これは大満足。この団体は、おそらくバルトークもうまく演奏するだろうと思った。

ベートーヴェンの演奏

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は名演奏が数多くあり、そのなかで何を表現していくのかというのは、若い団体にとってはこれからのテーマとなる。私の聴く限りにおいては、まだまだ演奏が表面的でうすっぺらいスポーツ的なベートーベンだ。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲というのは、あまりにも上手いテクニックで弾きすぎると、ぜんぜん感動しない音楽になってしまう気がする。実は、あの有名なアルバンベルクSQの演奏も私は好きではない。ベートーヴェンを演奏するぎりぎりの技術で演奏し、少々、デコボコ、ヨレヨレした演奏で、はらはらさせてくれた方がベートーヴェンらしくてよい。でもこういう味のある団体というのは、現在では主流ではないのだろうなあ。

まあ、これだけのアンサンブル能力があるので、次回は、フランス近代ものとか、現代もので期待したい気がする。特に武満のア・ウェイ・アローンあたりが良いかもしれない。
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by ralatalk | 2010-12-06 00:21 | コンサート