クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

発表会総括(その2)

今回はの発表会で、すばらしい演奏が3つありました。
ひとつは、イザイの無伴奏ソナタの2番。
二つ目は、プロコフィエフのバイオリン協奏曲第2番から1楽章。
三つめは、ラヴェル先生のツィンガーヌ。これはプロの演奏。

楽屋裏にて、イザイの若者が、女流プロに何やら質問しておりましたので、すぐさまその横に行き話を聞かせてもらいました。どうやら、イザイの冒頭の出だしをどういう風に演奏すればよいのか尋ねておられたようです。イザイの若者は、美探先生からイザイは響きの音楽だ、もっと響かせるボーイングをせよとの課題が与えられているようです。




そこで女流プロは、さまざまボーイング方法を示したあとで、

「今の私は、美探先生のボーイングを改良して、このように演奏しています。」

ということで演奏してくれましたが、これがもう鳥肌もののボーイングです。このわずかな音符にここまで神経をくだいて演奏していたとは、

「ひっかける。力を極限まで抜く、ころがす。右手の指の位置はここからこうなります。」

と説明されていましたが、チェック項目だけでも20くらいあります。わたしは真剣にその指導を聴いていたのですが、それを気にしたのか、

「ああ、これは私の自己流ですから。マネしないでくださいね。」

とのことでした。練習方法も教えていただいたのですが、本当に地味な練習で、はたでみていると初心者の練習のように見えますが、ここにボーイング技術習得の端緒があるのですね。

ところ変わって、簡単に演奏評などを

1.イザイの無伴奏ソナタの2番

 この人の演奏は、落ち着いているというか観客への見せ方がうまいです。本人曰く、「事故がたくさんあった」とおっしゃっていましたが、それは普通に聴いていてわかならいレベルなので問題なし。比較的短期間で仕上げたそうで、左手の技術は高いものを感じました。欲を言えば、曲のアクセントにもう少しメリハリをつけることができれば、もっと生き生きとしたイザイになっていたと思います。

2.プロコフィエフのバイオリン協奏曲第2番

 おそらく先生に習っているお弟子さんのなかで、もっとも先生の演奏方法に忠実な女性です。とても美しい音を出すのと、音程が極めて正確。下手なプロよりうまいというか、テクニックもさることながら音楽に心があるのがいいですね。プロコフィエフの2番はそれほど好きでない作品だったのですか、ロシアの大地を感じさせる部分とメカチックな部分とのバランスがおもしろいですね。CDでいろいろと聴いているのですが、ベスト演奏にも匹敵するでき。なぜ、日音とかコンクールにでないのか不思議です。

3.ラヴェル先生のツィンガーヌ

 この女流ソリストさんは、3年くらい前に美探先生のところにおいでになった方で、それまではテレビでもおなじみのあの大先生から指導を受けておられました。失礼ながら、あまりうまい人とは思っていなかったのですが、この2年くらいで、ボーイングを改良したせいか、美しい音に加えて音の立ちがりに艶がでてきました。このメリハリをつけた音色とボーイングテクニックは本当にすばらしい。現在の女流トッププロの演奏もいろいろと聴いていますが、それにない魅力のある立体的な音を最近手にされたことがわかります。
やはり、ソリストとアマチャアでは、その出音からして存在感がちがうのですね。

※追記

 美探先生は、ご高齢なため、指導できる期間も短くなってきていると思います。このボーイングにはすばらしいものがあると思いますので、もっと多くの人に残したい。もし先生に習いたいと思われる方がおられれば、僭越ながら私からご紹介することも可能でありますので得意曲を準備しておいてください。
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by ralatalk | 2009-06-05 12:35 | パガニーニへの道