クラシック音楽を中心にしたポスト現代音楽のためのブログ


by ralatalk

カプリース全曲を聴いてきたのですが(プロの目)

ミンツさんのコンサートには、美探先生ご夫妻とご一緒していたのですが、今回は少し失敗したかなあと思っていたのですが、意外にも意外。先生は、このコンサートで得るところが大きかったようです。

「コンサート代の元どころか、その10倍くらいの価値があった。レッスンのヒントになることが盛りだくさんでした。これだから演奏会には行くべきなんでしょうね。次回は、日本人演奏家も聴いておく必要もあるなあ。だれか紹介してくれませんか。」

とのこと。



 演奏家とただ聴いている人の間には、音楽を深く聴くという点でものすごいレベルの差がありますけど、それはそれだからこそのプロ演奏家なんでしょうね。プロがプロの演奏を聴くときどういうふうに感じておられるのか。やはり審査員までやられている先生だから、かなり細かく聴いておられるし、どう弾いたのかということも詳細に覚えていらっしゃる。先生のコンサート評を聴いていて、よくここまで細かく観察しておられるなあと感嘆してしましいました。先生には、私が聴こえていない部分も聴こえ、見えていない部分も見えていらっしゃるのですね。

●ポイント
 ・楽器がどちらかというとカーンと響く音ではなくバーンと大きくなる楽器。でも、この手の楽器は鳴らし難い。前半、どうも鳴らなかったのは、ボーイングにあり。それでミンツは前半と後半でボーイングを変えた。

・前半部は体が非常に堅かった。このため左手が叩きが甘くなり、音が浮くようになっていたようだ。また重音もうまく行っていない部分が多かった。カプリースになると指だけで演奏しようと思っても無理。体全体で弾くための柔らかさが必要。

・特に感心したのは、後半に入り、自ら悪いところを修正していたこと。ヒザは少し開くようにして、全体的に体をバランスよく動かせるように修正。これで、楽器の動きもよくなった。また前半部で押しつけぎみにボーイングしていたところを、軽いボーイングに修正。この楽器の場合はそうした弾き方が効果的なようで、よく鳴るようになってきた。17番から以降は、大分よくなって、完璧に近くなってきた。これだけ自由に弾ける人は、そうはいないだろう。さすがに巨匠と言われるだけのことはある。

とのこと。他にもいろいろと細かく、教えていただいたのですが、書き切れませんので、この辺で。
バイオリニストにとっては、体の細かい動きが少し狂うだけで、演奏に大きく影響。一音一音に細心の注意を払って弾く。無駄な動きの抑制。これが瞬時にできないといけない。だからプロになるには、小さなときからやっておく必要があるのですね。

演奏における深淵の縁を少し、見せてもらったような気がします。
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by ralatalk | 2009-04-12 02:00 | コンサート