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by ralatalk

大傑作?! トゥール・アウリン バイオリン協奏曲 第3番

 ここのところハイドンの弦楽四重奏曲ばかり聴いていたのですが、その中で、アウリン弦楽四重奏団というのがあって少し興味があったのでアウリンという人を調べてみたところ、スウェーデンの作曲家でかつバイオリニストとのこと。更に作品を調べてみると、バイオリン協奏曲を3曲も書いておいでになるので、試しに三番を聴いてみたのですが、おそらくシベリウスのバイオリン協奏曲に匹敵するのではないかと思うくらいに素晴らしい作品だったのでご紹介いたします。

トゥール・アウリン - Tor Aulin (1866-1914)
バイオリン協奏曲第3番 ハ短調 Op. 14




特に第一楽章でいきなり出てくる少し長めのバイオリンソロはなかなか人を惹き付ける魅力あり。時代的に後期ロマン派に属すると思いますが、感覚的にはもっと新しい感じがします。ロマン派のバイオリン協奏曲というとどうも感情面でベタベタ、コテコテな技巧をひけらかす傾向の曲が多いのですが、この作品は、情緒はあるものの極めてクールです。さすがは北欧の作品。このところはシベリウスにも似ていますが、もう少し人間よりですかね。

楽章構成は三楽章構成で、伝統的な書式になっていますね。
●第一楽章:Molto moderato
木管の重奏から始まる珍しい出だし。これが終るとバイオリン・ソロ。このソロが、まさにバイオリン弾きのためにあるという感じの旋律と演奏効果抜群の重音奏法になっており、なかなか惹き付けられます。またこの出だしの木管部分に少しチャイコの哀愁の匂いを感じます。全体的にメルフェンチックな楽章です。

●第二楽章:Andante con moto
ゆるやかに流れるカントリー調の主題が奏された後は、少し悲しく推移しつつも、ほの暗い明るさはキープ。あんまり深刻にならないところがいいですね。基本的に暗から明への推移を繰り返し、最後は穏やかに終ります。

●第三楽章:Allegro molto
北欧のお祭り風景を表現しているのですかね。シベリウスの三楽章とよく似た雰囲気がします。個人的にはもっと対位法を張り巡らせて複雑にしておいてさえくれれば、大傑作であると呼ぶことに躊躇しないところですが、少し残念。でもバイオリンソロ部分はかなり充実しているので、バイオリン協奏曲としては立派なものです。

とりあえず、10回以上聴いてみても飽きがこなかったので、優れた作品であることは間違いないと思っています。それにしてもこの作品、日本でも誰かやってくれませんかね。演奏効果抜群で弾き応えがあると思いますよ。ヒラリー・ハーンあたりがやってくれると一気にブレイクする感じがします。

※追記1:
スウェーデンでは有名作曲家!? 小林さんのかかれているHPを見つけましたが、 このHP以外でトゥール・アウリンに関する記事はあんまりみかけませんね。

Nordic Forest 北欧のクラシック

※追記2:
この作品。バイオリニストが書いただけに、チャイコフスキーやブルッフ、ブルックナー、プロコフィエフ、シベリウスのそれっぽいパッセージが部分的に出てくるのですが、作風なのか、パロディなのか微妙。そんなところを探すのも面白みの一つかも。

追記3:
楽譜を調査中。国内では手に入れるのは難しいかも。スコアの方はレンタルのみということです。
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by ralatalk | 2009-04-05 02:22 | バイオリン協奏曲